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京都国際まんがミュージアム 展覧会のお知らせ

2009年12月18日より2010年3月7日まで、京都国際マンガミュージアムにて、「コミックスを描く女性たち:アメリカ女性アーティストたちの100年」展が開催されています。
この展覧会は、2001年ドイツでスタートし、多くの人々の協力を得て、ヨーロッパ、そしてアメリカ各地を巡回しました。今回の日本開催は、私が代表を務めています「女性MANGA研究プロジェクト」が日本学術振興会の科学研究費補助金〔基盤研究B〕を得られたことによって実現しました。
日本はアメリカ文化の影響を強く受けていますが、コミックスに関していえば、ごく一部しか翻訳されていないという現状があります。アメリカ女性コミックスの歴史をまとめた形で紹介するのは、日本では本展覧会が初めてです。
日本では、マンガは男性・女性の区別を基調とした商業誌を主な舞台として発展しましたが、アメリカをはじめ多くの文化圏では、コミックス文化は少年のものと認知されています。
「アメリカ女性はコミックスを読まない」という定説に疑問を抱いたコミックスアーティスト、トリナ・ロビンスは、アメリカにおいてコミックス文化に関わった女性たちを歴史的に掘り起こす研究を始め、その成果を出版、講演活動、展覧会などを通して次々と発表してきました。コミックスは男性のジャンルであるという認識の強いアメリカでは、ロビンスによるアメリカ女性コミックス研究は非常に斬新なものであり、その研究はパイオニアとしての重要な役割を果たしています。
この展覧会は、ロビンスが研究中収集したコレクションから、19世紀末から20世紀にかけて活躍し、当時の女性文化に大きく貢献した女性アーティストたちの原画を、約60点展示しています。100年に渡る作品群は、アメリカにおける女性コミックス・アートの歴史と、現在マンガ文化の流入と触発によって21世紀に向けさらなる発展を遂げようとするその様子を生き生きと伝えています。
少々遠方になりますが、大変貴重な機会と存じますので、是非お越しいただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 筑紫女学園大学 英語学科
     准教授 大城房美
京都国際マンガミュージアムの企画展ページは
こちらからご覧ください。
http://www.kyotomm.jp/event/exh/femalecartoonist.php