お知らせNews

公開講座「文学と歴史による時空の旅―京都・北九州・沖縄―」①を開催しました【生涯学習センター】

 10月3日(土)太宰府市いきいき情報センターにおいて、「文学と歴史による時空の旅―京都・北九州・沖縄―」を開催しました。全3回にわたり、京都・北九州・沖縄を文学と歴史から見ていきます。
 第1回目の講師は、本学日本語・日本文学科の古賀典子教授です。「源氏物語の世界―洛中と洛外」をテーマに、『源氏物語』の時空を見ていきました。
 まずは、『源氏物語』の時間と空間についてお話がありました。作品全54帖には光源氏の誕生から孫たちの世界までの4世代にわたる時間の流れがあり、作品中の和歌に出てくる地名からは、光源氏が様々な地方を思い浮かべているような空間の広さがあります。多くの人々に読まれていることは、それほどの時空の深さがあるからだろうと先生はおっしゃいました。次に、洛中と洛外に分けて、資料と照らし合わせながら本文を読み進めていきました。原文を味わいながら、洛中では「桐壺」「夕顔」「葵」の巻を、洛外では「若紫」「橋姫」「須磨」「明石」そして九州について触れている「玉鬘」の巻を見ていきました。
 先生が古典は原文があってこそ成立すると言われたように、原文を読むことで作品そのものに触れることができました。また、参加者の中には『源氏物語』に興味がある方が大変多く、講座後に熱心に質問するなど積極的に参加されている様子が見られました。壮大なスケールで描かれている『源氏物語』は、描かれている土地からも見ていくことができるように、様々な視点から読み解くことができる作品であると感じました。
                     (報告/日本語・日本文学科2年 田原夏美)
*次回は10月10日(土)に開催します。
テーマ:「鉄都北九州」の誕生-近代化の「語り」
講師:時里奉明(本学教授)
●公開講座の詳細・受講申込みはこちら