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公開講座「子どものこころとからだを考える④」を開催しました【生涯学習センター】

 9月26日(土)に太宰府市いきいき情報センターにおいて、公開講座「子どものこころとからだを考える ~こころとからだのいい関係」を開催しました。第4回目の講師は、本学発達臨床心理学科の酒井均 教授です。
 講座では、「不器用な子どもの発達支援を考える」をテーマにお話されました。
 この講座では、まず不器用とは何かという事で「段取りが悪い・人とのやり取りがスムーズにできない・微細運動が下手(箸がうまく持てない)・粗大運動が下手(ボールをうまく蹴れない)」などがあげられていました。講座は主に運動的側面から不器用について考えていきました。参加者の皆さんは、時には例え話や事例に驚きや笑う姿がみられながらも、熱心にメモを取られていました。
 まず、運動的側面は粗大運動と微細運動の大きく二つに分けられ、その各運動面でどのような不器用さが現れるのかを見ていきました。
 粗大運動の中で姿勢反射(小さい頃、反射というものを経験していく事で姿勢を自分のものとする)が弱いとジャンプのタイミングが合わず、微細運動では指でしっかり持てないなどの手の動きに問題が見られると語られていました。
 
 例えばピアノを弾く為にはリズム・記憶力・体・手・耳などの力が必要なように、箸がうまく持てないにしても、持ち方がおかしいだけでなく、いくつもの原因が重なって不器用さがみられること。
 また、不器用の原因として、感覚統合がうまくいってないことをあげられていました。感覚統合とは、話を聞く・鉛筆を持つなど様々な感覚を私たちは感じていますが、今なにに集中しなければならないかを無意識的に判断し行う感覚の交通整理のようなことです。
 体を動かすには、体がどのようになっているのかを平衡感覚(姿勢を保持しバランスを保つ)、固有感覚(どのくらいに曲げ、どのくらいの力加減か)、触覚(どのくらいの大きさか)によってボディイメージができることが大切です。ボディイメージができてないとタイミングはつかめません。このように、「どうしたらいい?」「きちんとできるでしょ」と問うよりも前に考えてほしい事は不器用にはいろいろなわけがあるという事と語られました。
 今回の公開講座を通して、子どもの不器用さから「なぜ?」を考えてその子の状態を理解し、どうすべきなのかを伝えていく事の大切さ、触覚の重要性を感じました。触覚には生まれ持って逃避反射があり、触覚刺激によって愛着形成され、また視覚や聴覚発達にも影響してくることなど講義の中で習った事の復習にもなりとても勉強になりました。
*下の画像は託児室の様子です。
                        (報告/発達臨床心理学科4年 伊藤奈美)
*11月に同じテーマで講座を開催します。多数のご参加をお待ちしております。
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