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【社会連携センター】公開講座を開催しました

 10月5日(土)筑紫女学園大学において、クロスオーバーアジア塾2024 越境する『源氏物語』~日本・アジア・世界~の「権力・政治と『源氏物語』」を開催しました。ご講師は日本語・日本文学科の大内 英範教授です。

 第1回となる今回の講座では『源氏物語』が世界へ広がる原点である世界初の英訳から歴史を辿りました。『源氏物語』を初めて英訳した末松謙澄は、イギリスで文学と政治の密接な関係に気づき、日本文学を通して日本に対するイメージを向上させるために英訳に取り組んだのではないかと考えられます。ベルリン国立博物館には江戸時代の終わりに渡った写本が現在も所蔵されていますが、これは文化的な交流を重視したプロイセンの使節が持ち帰ったものだということです。また、『源氏物語』の写本の大きさにも着目し、鎌倉幕府は文化面で京の公家と異なるよう写本の大きさで独自性を表現しました。他にも戦国時代には豊臣秀吉や徳川家康にも親しまれ、特に家康は『源氏物語』を通して王者としての在り方を学んでいたようです。

 参加者の中には学問に精通した方も多く、質疑応答の際には自身の専門分野や近年話題の分野に関連したご質問など多く上がりました。学際的な様子を直接見ることができ、改めて学問の奥深さや面白さを感じました。

[報告・撮影]英語学科4年 郷原 里

 筑紫女学園大学文学部の日本語・日本文学科、英語学科、アジア文化学科の3学科共催の3回連続の公開講座「クロスオーバーアジア塾」では、
今年のNHK大河ドラマのテーマとして取り上げられている『源氏物語』について、他では聞くことのできない多様な視点からお話しいただきます。

 次回10月26日(土)の第2回は、「グローバル時代の少女マンガーThe Tale of Genji」と題して英語学科の大城房美先生が、アメリカでのマンガ源氏物語の受容を切り口にお話をされます。
お申し込みは下記フォームより⇓
https://forms.office.com/r/HpmY115fa8