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公開講座「日本人の教養 ~かなと漢字~」が始まりました!

9月27日(土)太宰府市いきいき情報センターにおいて、公開講座「日本人の教養 ~かなと漢字~」(第1回)が開催されました。
この講座は、大学開学20周年と日本語・日本文学科開設20周年を記念し、3回に渡って、古代日本の文化と歴史やその時代背景がもたらした“日本人の教養”について考えてゆきます。
第1回目は「をむな?もしてみむとてするなり~女手が支えた文化~」をテーマに、本学日本語・日本文学科教授の小野 望先生にお話しいただきました。
『土佐日記』とそれ以降の平安女流文学と仮名との関わりや、中国文化を取り入れたことによる文字・表記の歴史などを中心に、どのようにして女手ができたのか、また女手以外の文字はどのような歴史を辿ったのかについて解説なさいました。
平安中期において女性たちが表立って自分を発表することができた唯一の教養、和歌。それを書く道具として手にしえたものが平仮名でした。
女たちが平仮名を美しく大切に育んできたことで今日の書道が生まれ、古来より受け継がれた和歌や、それに続く俳句などの韻文もまた現代まで残っており、私たち一般の人々も楽しめるようになっています。
このように、古代文化が現代にまで連なる“心”を平仮名によって優美なものに仕上げていった・・そこに女たちの果たした役割が窺えます。
「女手」を「平仮名」と呼ぶようになったのは室町時代になってからですが、「女手」は女性だけではなく男性も使っていたそうです。
しかし、“女たちの手によって、「平仮名」が美しいものになっていった”という意識が人々の中にあったから、「平仮名」を女手と呼んだのではないでしょうか、というお話が印象的でした。
女手が支えた文化は、中国文化を取り入れてもなお伝えることのできた、古来から伝わる日本的な文化。現在私たちが何気なく使っている平仮名も、女性たちが美しく育んできたものだと捉えてみると、貴重で味わい深いものに思えてくる、そんな講座でした。
次回は、10月4日 「中国故事の伝来~熊本城・『蛍の光♪』へ~」と続きます。
(報告/現代教養学科 元村菜津美)
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http://www.chikushi-u.ac.jp/campaign/lecture/index.html