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令和2年度筑紫女学園大学卒業生・修了生へ

祝辞

御卒業おめでとうございます。御家族の方々共々にお祝い申し上げます。
私共は、皆様に有意義で魅力ある学問の場の提供に、微力ながらも務めてまいりました。
しかしながら、いかんせんコロナという災害に見舞われて、皆様には大変な御不自由や御迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
そんな困難の中で、皆様は卒業され新しい世界へと旅立たれて行かれます。
とは申しても、社会はそんなに甘くはありません。「難度海」と表現されます。その荒海の中にあっても、佛さまの言葉を聞くことがあるならば、その言葉が光となって私を照らし導いてくれます。
結果、佛の教えとは「私を問う」ことであります。その私の何を問うのか、私の何が問題かは教えてもらわなくてはなりません。それを「聞く」という形で教えてもらいます。それは決して答えを聞くのではなく、問いを頂戴するのです。人生には大小様々な問題があります。その問題の中で、答えはなくともこれだけは聞いておかなくてはならない問題、それを私は課題と言っています。その課題と向き合って、佛の言葉を聞く時、そこに生きる情熱や勇気、そして使命が生まれます。
私は皆さんに期待します。これは縁ですから、今後皆さんが生活に恵まれ、また恵まれなかったとしても、私は生まれて良かったと言える人生を全うされますことを。
 

令和三年三月十一日
学校法人筑紫女学園 理事長 杣 山 眞 乘