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本学の学生支援及び校納金に関する考え方について

筑紫女学園大学
学生の皆さん並びに保護者の皆様

本学の学生支援及び校納金に関する考え方について
 

 平素より本学の教育活動への理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
 本学におきましては、新型コロナウイルスの感染が徐々に拡大するなか、苦渋の判断のもと卒業式・入学式を中止し新年度を迎えました。政府による緊急事態宣言、それを受けての福岡県の緊急措置に従い、本学では対応方針を決定し、今日までの間様々な対策を施してまいりました。
 とりわけ、感染拡大の防止と在学生の皆さんの健康確保を第一に、大学への入構を禁止せざるを得なかったことは、授業の在り方と施設利用に対し大きな影響を及ぼしました。大学として教育の歩みを止めることはできず、文部科学省からも学生の健康確保を第一にオンライン等を用いて授業を確保するよう対応が求められましたことから、本学では4月22日からの遠隔授業開始を決定し、教職員が一丸となってその準備に取り組みました。他大学に見られたようなサーバーダウンもなく授業が開始され、何とか今年度前期の授業を実施できておりますのも、在学生の皆さん並びに保護者の皆様のご理解とご協力のお陰と大変感謝致しております。
 

本学における学生支援の現状について

 コロナ禍の下でこのような状況が進み始めた頃から、本学にとってどのような支援が可能か、また相応しい支援であるかを検討し、実行してまいりました。
 経済的支援につきましては、福岡地区でも、すべてではありませんがいくつもの大学において在学生一律に給付金が支給されています。本学でも同様の給付金を支給することも検討いたしました。しかし、本学の支援方針として、一律に一定額の給付を行うのではなく、家計の急変やアルバイトによる収入の激減等により、真に困窮している学生に確実に届く就学支援を実施する道を選びました。
 とはいえすべての在学生を対象とする支援も実施してきました。購入された教科書をお届けする送料の負担、図書館の書籍貸出し・返却サービスにおける郵送費の負担、通信機器を購入することが厳しい学生に貸与するため、あるいは対面授業で登校した際に利用いただけるよう100台のPCとルーター50器を確保し、希望する学生に提供しています。
 5月には本学学生を対象に緊急アンケート調査を行いました。フリーアンケートであり不確かな面も皆無ではありませんが、在学生の6割に相当する約1700名より回答をいただき、学生の皆さんの現状を把握するとともに、多くの要望の声も聞かせていただきました。
 経済的理由により大学を続けられるか悩んでいる学生が7.5%おられ、経済的困窮度が一律の給付金支給によって解決できるようなレベルでないことも改めて知らされることとなりました。
 このアンケートも参考にしながら、本学におけるより有効な支援とは何かを再度検討いたしました。本学の奨学金・育英奨学制度、国をはじめ自治体や社会福祉協議会さらには本学同窓会紫友会や各種団体による奨学金・給付金への申請をさらに積極的に紹介し勧めています。国の補正予算審議で開始となった「学生支援緊急給付金」は、本学での審査を終え、すでに数百名の本学学生への給付が決定しており、現在は第2次募集の受付を行っています。
 また、アンケートでは食料品が買えず困っていると回答した学生が目立ったため、各方面からのご協力をいただきながら食料支援も始めました。ホームページでも紹介しておりますこの支援事業は、NHKのニュースや新聞各紙でも大きく報じられたこともあり、企業・団体様をはじめ、自治体や個人の方々からのご寄附もいただいています。これまでに300名を超える学生が支援を受けられ、「アルバイトがなくなり仕送りも途絶える中、とても助かりました」という複数の声が届くとともに、本学県人会の学生の協力により支援の輪が広がっています。
 以上、本学におけるコロナ禍に対する学生支援事業の一端をお伝えしました。一律給付金の支給といった支援ではないため、不十分とのご批判を頂くこともあるかもしれませんが、現時点におきましては、これらの事業を中心とした支援を継続する考えです。
 

校納金に関する考え方について

 本学の校納金は、入学金・授業料・施設設備費・その他(後援会費、学友会費等)で構成されています。そのなかでも特に「施設設備費」の返還等に関する問い合わせが寄せられていますので、次のとおりご説明します。
 本学の施設設備費は、施設設備の「利用料」としてではなく、在学生の皆さんの在籍期間中の教育施設の取得、大学が長期間にわたって存続し教育・研究を継続するための建物等施設の維持管理、教育環境充実のための施設設備改善拡充等に充てられる費用として位置付けられています。
 在学生の皆さんが本学に在籍される間、より快適な教育環境を提供できるよう維持整備するために充てられる費用であるとともに、在学生の皆さんが現在授業等を受けられている各建物の建設に要した資金、あるいは将来的な改修・建替え等への備えも含まれています。具体的には、一昨年度から昨年度にかけて実施した食堂のリニューアル、コンビニやカフェの新設やICTを活用した教育環境の拡充等に係る工事費等にも施設設備費の一部を充当しております。
 また、今後新型コロナウイルス感染症が収束し在学生の皆さんが本学で学修を継続していく際の健康管理のため、学内諸施設の感染防止対策に係る環境整備などにも、この施設設備費の一部が充当されていきます。
 したがいまして、施設設備費については、その使途が在学生の皆さんの在籍期間中を通じた「教育施設設備環境の取得・維持・設備改善拡充等に充てる費用」であることから、本学といたしましては、「施設設備費の減額等の措置を講ずる予定がないこと」をお伝えしますとともに、この方針を何卒ご理解いただきたく、お願い申し上げます。

 ここまで、コロナ禍における本学の学生支援についての方針や現状、並びに施設設備費に対する本学の見解についてお伝えしてきましたが、最も大事にしなければならないのは、在学生の皆さんが学びへの意欲を停滞させることなく、それぞれの課程を修了されることであると考えます。そのために、本学教職員一同は、引き続き学生の皆さんを全力でサポートしてまいります。
 今後とも本学の教育活動へのご理解とご協力を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。

筑紫女学園大学
学長 中川正法