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公開講座「文学と旅」②を開催しました【社会連携センター】

文学と旅

源氏物語における筑紫への旅 講師:須藤圭(文学部日本語・日本文学科准教授)

 この講座は全3回で、「文学と旅」をテーマとして、古典文学の面白さを伝えていきます。第2回目の講座のタイトルは「源氏物語における筑紫への旅」。2月15日(土)、筑紫女学園大学6201教室で開催されました。講師は、日本語・日本文学科の須藤圭准教授でした。

 講座では、まず、『源氏物語』がどのような物語なのか、『新選国語辞典』や『広辞苑』などの辞書を用いて説明してくださいました。辞書に紹介される内容から、『源氏物語』がいかに特別な物語なのかが分かりました。
 次に、『源氏物語』の中で旅が描かれた場面として、「玉鬘巻」から、玉鬘一行が京都から筑紫へ向かう旅路の様子を描いたシーンが取り上げられました。亡くなった夕顔への嘆きや、玉鬘たちが都から離れることを悲しんでいる様子を、『伊勢物語』や『後撰和歌集』の歌を踏まえて表現していることを説明してくださいました。また、『源氏物語』と同じ平安時代に書かれた『土佐日記』に、海賊が襲来してくることを心配する場面が描かれていることなどを参照しながら、平安時代の船旅が、肉体的にも、精神的にも、非常に疲れるものであったと教えてくださいました。

 玉鬘は、やがて、京都へ戻ることになるのですが、京都へ戻って2年ほどで尚侍に就任していることから、玉鬘の筑紫への旅は、高貴な生まれの者が地方に流されるものの、そこで力をつけ、後に中央へ戻り、尊い存在になるというストーリー、すなわち、「貴種流離譚」ということができることも教えてくださいました。
  今回の公開講座では、いつもの講義では取り上げられることのなかった平安時代の旅について知ることができ、とても有意義な時間になりました。また、玉鬘たちが訪れた筑紫は、私たちが通う太宰府とも深くかかわる場所です。『源氏物語』に太宰府が出てくることも初めて知り、より太宰府という地に愛着が湧きました。

 次回「文学と旅」③の講義タイトルは「近世文学に描かれる身近な船の旅」で、2月29日(土)に同じ場所(本学6201教室)で開催されます。講師は、安永美恵准教授です。

※「文学と旅」③は、新型コロナウイルスの影響を考慮し、中止となりました。

 

報告/文学部 日本語・日本文学科2年 寺崎しおり