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「筑紫想い出カフェ2019」の公開報告会を開催しました【社会連携センター】

2019年11月19日(火)5限目に、「筑紫想い出カフェ2019公開報告会~地域回想法の成果と課題~」を開催しました。

 

 はじめの趣旨説明では、5年前に本学学芸員課程教員(当時)の大津先生の主導により筑紫野市においてスタートした学芸員課程学生による地域回想法ボランティア活動が、現在では本学社会福祉専攻の協力のもと、カリキュラム内での取り組みとして改変され、今年度は太宰府市に場を移しての初めての試みであったという本活動全体の経緯が紹介されました。

 まず報告①として、社会福祉士養成課程からの発表がありました。社会福祉コース3年の小柳さんと牟田さんからは、資料は日常の生活に関わる道具しかも手で触れることができる物や利用者の好みに合った物がよいこと、回数を重ねることの必要性など体験から学んだことが報告され、金圓景先生(人間科学部人間科学科心理社会福祉専攻社会福祉コース教員)からは、福祉の現場における相互理解の上での回想法の有効性が語られました。

 次に報告②として、博物館学芸員課程からの発表がありました。1年生のころから回想法ボランティアに参加していた藤岡歩美さん(アジア文化学科4年)が、ボランティア活動で得たものについて報告しました。藤岡さんは、地域と博物館のつながりを実地で学ぼうと回想法ボランティアに参加したそうです。博物館学芸員課程の学生が博物館利用者を受け身で迎えるのではなく、博物館資料がどのように活用されているか現場に出向いて実見することで、資料活用の可能性だけでなく地域交流の課題も見えてきたとのことです。

 そのあと報告③として、受け入れ先である有限会社眞心の職員である安藤さん、中島さん、清水さん3人からのお話がありました。安藤さんが取組を総括する形で、中島さんがグループホームの、清水さんがデイサービスの様子を、専門家の立場からの細かな観察結果を報告してくださいました。今年度の活動を時系列にそって写真を提示して振り返ってくださいましたが、その写真を見ると、お年寄も学生もしだい笑顔が増えている様子が一目瞭然でした。お年寄りがずっと昔身につけたであろう、あやとりやそろばんや独楽回しなどをスムーズにできたことには職員さんも驚かれたそうです。

 回想法としては失敗だった手に触れない資料を用いた回の体験が、博物館資料を福祉の現場で利用する際の課題を浮き彫りにしてくれました。「回想法資料は触れることができるものであるべき」ことは現場から学んだ回想法の鉄則といえるでしょう。全体をとおして世代間交流の機会としての回想法の有効性を実感しました。

 最後の質疑応答では、会場の聴講者から「要介護の方だけでなく認知症の予防にも回想法を利用できるのでは?」「民俗資料を使うだけでなく資料制作などの方法もとれるのでは?」といった意見や、「実際に認知症軽減の効果は出ているのか?」という質問などがでていました。

 今年度の取り組みを参加しなかった学生も共有でき、将来にむけて解決すべき課題が見え、大変充実した内容の報告会だったと思います。

 

小林知美(アジア文化学科教員)