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公開講座「第25回仏教学研究室公開講義」④を開催しました【社会連携センター】

 10月27日(土)筑紫女学園高校水月ホールにて、仏教学研究室公開講義「かくれ念仏とその思想」を開催しました。ご講師は人間科学部 人間科学科 心理・社会福祉専攻 准教授宇治 和貴先生です。

 今回の講座は、「かくれ念仏とその思想」といったテーマになっておりますが、まずは「かくれ念仏」とはいったい何か、という部分から始まりました。かくれ念仏とは、権力によって禁止された浄土真宗(一向宗)の信仰を、権力の目から逃れて信仰することを意味します。またそれ故に、隠し持っていつでも逃げられるように携帯のお仏壇などが利用されていました。隠れ念仏とは、浄土真宗の本願寺と深い関係を持ちながら、薩摩藩から隠れて信仰を継続していた集団のことというお話がされました。薩摩藩ではとても厳しく隠れ念仏の人々を、調査し、見つけると弾圧していたようです。なかでも「横目」という、街中で隠れ念仏の人がいないかを見張る役人がいたことは、興味がわきました。また、水俣の源光寺には薩摩から人目を偲んで法話を聞きに来る人達のために、薩摩部屋という部屋があったということには驚きました。

 当時、弾圧が続く中、一向宗の信者達は「講」(地域ごとの信仰者による集まり)を結成し、密かに深い山中や洞窟の中などで法座を執り行っていました。やはり役人などに見つかり、拷問や処刑も行われる事もありましたが、人々は尚も自分達の信仰するものを今日まで守り続けきたのかと思うと、とても芯の持った素晴らしいものと感じました。

 次に、講座で配布された資料の薩摩のかくれ念仏年表・かくれ念仏マップを参考にし、講義が行われました。今回の「かくれ念仏」とは違いますが、秘事法門についての説明も少しありました。

 私は今回の講座において、かくれ念仏や隠れキリシタンなど、秘教と呼ばれるものを信仰している信者達は常に自らの命を懸けて信仰し、次の世代へ口伝していったと知り、驚きと感動的な気持ちになりました。 

 

報告/文学部アジア文化学科1年 吉田 桃花(公開講座サポーター)

 

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