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公開講座「文学と南(6)」③を開催しました【社会連携センター】

 6月23日(土)、いきいき情報センターにおいて、公開講座「文学と南(6)台湾の歴史と文学」の第三回目「戦後台湾文学の展開と特徴」が開催されました。ご講師は第一回目に引き続いてアジア文化学科の石其琳先生でした。先生は台湾の歴史(政治史)を踏まえながら、台湾文学の特徴を①「伝統文学」、②「日本統治時代」、③「国民党時代」、④「民主国家時代―50年代から80年代」の四つに分類し、その時代時代の特徴を丁寧に説明されました。

 ご講義は、「伝統文学が、必ずしも古典文学とは言えない」という定義から始まり、言語、習慣、食生活、宗教、人種等、種々に異なる多様な文化が林立していたので、多くの騒乱が起き、様々な考えが醸成され、さまざまなジャンルの文学が生み出された、とお話されました。

 「中華人民共和国」と「中華民国」――わたしたちは政治体制が異なるこれら二つの国の文学を、一般に、「現代中国文学」と呼びならわしています。しかし今回のご講義で、こうした呼び方に文学的側面から疑義を呈し、従来の文学観を乗り越える呼び方として「中華現代文学」という名称を提唱していることに驚きました。たとえば、1972年に編集された文学全集は『中国現代文学大系』で、1989年に編集されたそれは『中華現代文学大系』と命名されているそうです。

 会場からは多くの質問があり、活気に満ちた有意義な講座になりました。わたしは台湾についてよく知りませんでしたが、ご講義をお聴きして、台湾についてもっともっと知りたいと思いました。また先生ご推薦の「再会の食卓」もぜひ見たいと思いました。中国と台湾の歴史に翻弄された元夫婦の物語で、家族とはどうあるべきかを問いかけている映画だそうです。

 

報告/文学部日本語・日本文学科1年 安田楓(公開講座サポーター)

 

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