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公開講座「文学と南(6)」①を開催しました【社会連携センター】

 6月9日(土)太宰府市いきいき情報センタ―において、公開講座「文学と南(6)台湾の歴史と文学」を開催しました。

 この講座は文学部日本語・日本文学科の松下博文教授がコーディネーターとなり、主に戦前から戦後にかけての台湾の歴史と文学について考える3回の連続講座です。

 第1回目の今回は、王幼華『土地と霊魂』の世界というタイトルで同作品を翻訳された、文学部アジア文化学科教授石其琳先生をお招きして、作品の歴史背景を中心に自身の研究も交えて戦前から現代に至るまでの台湾の歴史や未だ残る問題をお話頂きました。

 講演は「台湾についてどのようなイメージを持っているか」という質問で始まりました。「新日」「こちらも親しみを感じる」などの意見が飛び交い、参加者の方々も積極的に発言されました。そのような質問から、なぜそのようなイメージを持つのか、といったように徐々に歴史の話へと移っていきました。
 50年間続いた日本統治により今もまだ「古き良き」日本が残る台湾。それらが日本人に親しみを持たせる一つの要因だと話されました。
 しかし日本統治時代ばかりを見ていては台湾の歴史の全てを見ることができなくなる危険性も同時に指摘されました。狭い視野は自分たちの首を絞める、という言葉が重く響きます。
 歴史をしっかりと考え、台湾の人々と現実をしっかり知ることで、より深く作品が理解できるだろうと話され、作品が日本で出版されたことの意味についても考えてほしいと重ねて述べられました。

 会場からは戦後の台湾に関する質問が多く出され、石先生は一つ一つに丁寧に答えていらっしゃいました。また、研究に対する質問も多く出されました。
 教科書には載っていない歴史を知ることができ、とても有意義な時間となりました。

報告/文学部日本語・日本文学科3年 大賀由葉(公開講座サポーター)

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