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公開講座「英語と英文学の世界」①を開催しました【生涯学習センター】

平成29年11月18日に太宰府市いきいき情報センターにおいて、公開講座『英語と英文学の世界①英単語の綴りの不思議』を開催しました。講師は筑紫女学園大学文学部教授の松崎徹先生です。

今回から3週にわたって開催する「英語と英文学の世界」、昨年も開催しており本年で2回目の開催となります。

最初に、頭の体操として「発音されない文字を含んだ英単語を思いつくかぎり書いてみましょう」ということで、受講者の皆さんに考えてもらいました。具体例としては、「know」「hour」「comb」「psychology」「sign」「night」などの単語が挙げられました。

英語の発音と綴りの大原則として、英語の単語中のアルファベット文字は、母音・子音いずれも音価を有します。もし、単語中に発音されない文字があれば、それらは例外とみなします。この例外のことを、「黙字(silent letter)」と言います。これは、単語の中には存在してはいるが、実際の発音では読まれない文字のことを指します。例えば、アルファベット「h」がつくものだと、「honor」「honest」「hour」「heir」などが挙げられます。これらの単語に共通するは、全てフランス語から入ってきたということです。これは、フランス語の発音を反映しているからだと言われています。

一方、アルファベット「p」がつくものだと、「psychology」「psalm」「pneumonia」などが挙げられます。これらは、ギリシア語からの借用語だとされています。ギリシア語では、語頭のpはいかなる場合でも発音していましたが、英語ではp+子音の組み合わせでは発音しないため黙字になりました。他にも、黙字「k」を含む英単語として、「knack」「knife」「knoll」などが挙げられます。このkが黙字になるには、語頭に来ること、直後にnが来ることが条件とされています。

そもそも、なぜ英語古来の単語に発音されない文字が残っているのかという疑問を抱く人も多いのではないでしょうか。当時音声レコーダーなどといった音声を録音する機械がなかったため、明確には分かっていません。しかし、もともと発音されていたが時代とともに発音されなくなった、もともと文字は存在していなかったが後の時代に恣意的に挿入された(発音はされないまま)、といった2つの理由が考えられています。

このように、英単語の綴り・発音には歴史的変化が大きく影響しているということを先生は語られました。

休憩時間や講座終了後にも先生へ質問されている方が多く見受けられ、普段英語に親しみがなく難しそうな印象を持っていた自分自身も、今回の講座を通して英語に対して興味や関心を持つことができました。
 

報告/人間科学部人間科学科人間関係専攻発達臨床心理コース3年 野田愛美(公開講座サポーター)

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https://www.chikushi-u.ac.jp/lifelong/lecture/