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公開講座「アジア塾」③を開催しました【生涯学習センター】

全3回で構成されていた公開講座「アジア塾」も11月18日(土)に最終回を迎えました。
講師はアジア都市研究所主任研究員の唐寅氏です。

日中の「歴史」と「文化交流」に続き、最後は現代における中国の「経済」を中心とした講話でした。唐寅氏は主に都市構想、都市計画などを中心に研究されていて、穏やかでいながら理路整然とした語り口に日本の未来について考えさせられました。

講話の内容は、中国の政策である「一帯一路」と、その計画を通して世界に広がりを見せようとする「新四大発明」についてでした。「一帯一路」は最近よくニュースでも耳にします。平たく言ってしまえばかつてのシルクロードのように大陸を横断する巨大な経済圏を構築しようという政策です。
また、「新四大発明」とは中国が火薬、羅針盤、紙、印刷の発明によって東西の交易を促進したことになぞらえて、中国人の消費行動を変えた4つのサービス、すなわち高速鉄道、モバイル決済、シェア自転車、ネット通販を世界に拡大させようとする政策です。
これらの政治的な動きが講話の中で世界情勢と照らし合わされ、現代中国が世界の中でどのような立ち位置を確立していこうとしているのかが垣間見えました。

今回の講座では中国のスケールの大きさや歴史の深さが強烈に印象づけられました。市場の大きさや人口、国土の規模にももちろん改めて驚きましたが、打ち出された経済政策のあまりの視野の広さに愕然としました。そのような巨大な国を隣人とする日本はこの目まぐるしく変化する世界のなかでどうすれば生き残れるのか。一度立ち止まって考えるべきときが訪れているのではないかと私は感じました。
 

報告/文学部アジア文化学科 4年 林 永莉(公開講座サポーター)

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https://www.chikushi-u.ac.jp/lifelong/lecture/