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公開講座「気になる子の行動の理解」を開催しました【生涯学習センター】

2月18日(土)筑紫女学園大学において、「気になる子の行動の理解」を開催しました。講師は人間科学部教授の酒井均先生です。

「幼稚園・保育園にはどの園にも気になる子がいると思います。そして気になる子どもたちの行動で困っていることも多いかと思います」という酒井先生の呼びかけに深く頷いている参加者の方が多く見受けられました。なぜその子たちがそのような行動をしてしまうのか、そこには必ず理由があります。今回の講座ではその理由がどのようなものかを考え、どのように見て確かめていけばいいのかということに焦点を当てお話ししていただきました。

気になること、それはことばであったり、対人関係であったり、行動が気に掛かることが主です。この三つは別々のものとして対応するべきではなく、互いに関係し合っていることを理解し対応するのが重要です。その中でも、今回の演題にもなっている「行動」についてのお話が印象的でした。行動は生まれつきのものではなく、学習の結果であり、性格や障害によるものではありません。困った行動があると行動に注目しがちですが、第一に確認すべきはその子どもの発達段階を見極めることです、と酒井先生は語られました。ことば・社会性・感覚の発達段階を見極めた上で行動の分析を行います。

行動は、たとえ気分であっても、どのような引き金があって気分が変わっているのかを考えます。そして困った行動は、本人にとって良い結果が生まれることを学習し繰り返されている、ということを把握するのです。大きな声を出すと周囲に注目してもらえるなどがその例です。この対処法として酒井先生が挙げられたのが「ABA(応用行動分析)」という行動そのものを変える方法でした。外的要因か結果をコントロールすることで行動は変えられるという解説に加え、発達障害との関係も視野に入れた質問コーナーでは参加者の皆さんと活発な意見交流をすることができました。

私自身、教員への道を志しており、様々なボランティア活動や実習現場で障害がある方と作業や学習を行うことがあります。子どもが言葉で表現しきれないことを周囲の大人、そして教育現場の人間が行動の要因の理解者になることは、慣れない集団生活においての不安の解消につながります。行動の理解、そして行動は変えることができるという講演から、参加者の皆さんも積極的理解への自信となったのではないでしょうか。

報告/文学部日本語日本文学科3年 入部環菜(公開講座サポーター)

 

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