お知らせNews

日本文化特別講義「『京鹿子娘道成寺』あれこれ」を開催しました【日本語・日本文学科】

日本語・日本文学科1年生科目「基礎ゼミナールⅡ」では、2016年11月7日(月)、8203教室において、日本文化特別講義「『京鹿子娘道成寺』あれこれ」を開催しました。講師は、浄瑠璃や歌舞伎を専門とされる橘英哲本学名誉教授です。

今回は、前期に開催した特別講義「道成寺物の世界」(講師:和歌山県道成寺住職小野俊成師。道成寺絵巻の絵解き説法実演、安珍清姫伝説の展開など)を受け、道成寺物のその後の展開について講義していただきました。
特に、重要な歌舞伎舞踊の大曲「京鹿子娘道成寺」については、映像資料を交えて、舞踊の技術や衣装、小道具、演出等の専門的な話をしていただきました。
 

(学生の感想から)
・「京鹿子娘道成寺」には、有名な安珍・清姫は出て来ず、最も盛り上がるのは、町娘の恋への憧れや美しさへの想いを表現した舞踊の部分であるそうだ。「清姫」を出さないことは「誰もが主人公に成り得るということ」との先生の言葉が印象に残った。町娘という設定は、身近な存在であり、観客が感情移入しやすかっただろう。道成寺物の数はとても多いそうだが、このような工夫のおかげかもしれない。

・歌舞伎は現代演劇であり、人々に親しまれやすくするための工夫が施されているというお話に感心した。また、舞踊の中で衣装を変えることで性格が変わり、踊りにも変化が出ることや、衣装を変える技術についても教えていただいた。衣装を美しく見せるという点が日本舞踊の特徴でもあるという話など、日本特有の文化を改めて面白いと感じた。
 

講演終了後には、華やかな舞踊の名残の中、学生からの質問にも、興味深いお話でお答えいただくなど、和やかな中に終了しました。