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大学院開設記念公開講座「人間の理解と支援」の第4回目を開催しました。2007/06/15

6月9日(土)午後2時より、太宰府市いきいき情報センターで大学院開設記念講座の第4回目(最終回)を開催しました。講師は日本語・日本文学科の森田真也准教授です。
フィールドワークを通して、民俗学と文化財、観光と地域との関わり合いをご講義いただきました。
民俗学とは、人間の営みの中で各地域に伝承されてきた事物を通じて現在の生活文化をとらえていく。現場に入り込むフィールドワークによって、小さな事例を拾い上げ、そこから大きな社会の枠組みを考えていく学問だとのことです。
講義では、沖縄県の竹富島と岐阜県白川郷の事例を取り上げ、観光化の波や世界遺産への登録が地域に何をもたらしたかが紹介されました。竹富島での、地域住民が主体となった活動がどのように生まれ、継続しているか。一方、白川郷は急速な観光化に直面し、地域振興や集客という表面的なプラス面ばかりでなく、さまざまな軋轢が生じている。これらの問題について、太宰府での市民による史跡保存活動や九州国立博物館誘致運動の例を引きながら、分かりやすく解説していただきました。伝統文化とは、ただ古いというだけのものではないという指摘には、たいへん新鮮な印象を受けました。また、文化を守り続けていくのには、地域住民の理解と協力が大きく影響するのだということを、改めて強く感じました。
公開講座に参加して・・・
本学は、この4月大学院を開設しました。また、同時に仏教専修課程も設置されました。私はその一期生の一人です。この生涯学習リポーターの取材に携わるなど、毎日充実した日々を送っています。年齢に関わりなく、「向上心」はいくつになっても無限の可能性をはらんでいるのだと思います。本学の短期大学を卒業してから、久しぶりの学生生活はまだ始まったばかりですが、興味を持ち、それをどう広げていくのか、自分の方向性が少し見えてきたような気がします。
本講座は今回が最終回でした。ご参加いただいた方々、わかりやすくご講義いただいた先生方にお礼を申し上げます。ありがとうございました。
(報告:科目等履修生 三倉春美)
本学大学院「人間科学研究科」は、「人間の理解と支援」をコンセプトとして、本年4月にスタートしております。今回の公開講座は大学院開設を記念して、言語学・精神医学・心理学・民俗学のそれぞれの視点から、4週間にわたるリレー講義を実施しました。内容的には、実際に大学院での講義でも取り扱われているものを含み、あるいはリラクセーションの実技を体験していただくなど、バラエティに富んだものとなりました。幅広い視点から人間/社会を理解し支援に結び付けていこうとする、本学の「人間科学」の一端をご紹介することができたのではないかと思っております。
毎回熱心にお聞き下さった皆様方に感謝いたします。今後とも、本学の活動にご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
(生涯学習センター長 小野望)