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公開講座「子どもの育ちを考える~こころ・発達・関わり方~」の第2回目を開催

6月16日(土)、本学8103教室で「子どもの育ちを考える~こころ・発達・関わり方~」の第2回目講座『わかってほしい私のこと~気になる子どもに向き合う保育~』を開催しました。講師は発達臨床心理学科の渋田登美子准教授です。
気になる子ども・・さて、みなさんはどのような子どもを想像されるでしょうか。
何を考えているのかわからない、動きが多くて落ち着きがない、言葉が遅い・・・など、子どもをお持ちの方は多々悩みはあるでしょう。
今回の講座は子どもの軽度発達障がいについてです。軽度発達障がいの種類・共通点からの例を交えながら進められ、それぞれの軽度発達障がいの様々な症状からの対応のポイントなど、より知識を深め、最後に質疑応答がとられました。
軽度発達障がい者は知的障がい者ではないけれども、今までの保育のやり方ではうまくはいかない。人というのは、幼稚園・保育園・小学校という社会との出会いによって、コミュニケーションを身に付けていくのですが、軽度発達障がいの子どもは様々な環境によって、著しくコミュニケーションの能力が低いことが特徴です。そして、この軽度発達障がいの子どもは健常児との明確な境界線がないので、発見や診断が難しく適切なサポートが受けにくいというのが現状だそうです。
この講座の最後に、渋田先生が「軽度発達障がい者というのは、困った子どもではなく“生きにくさを抱えた子ども”であり、障がいの特性を知りその子どもの長所を個性に替えてあげること、そして能力の発達に重点をおくのではなく、“心の育ち”も大切です」とおっしゃいました。なるほど、どうしても親というのは子どもの能力を上げようということばかりに目がいっているのかもしれません。確かに生きていく上で能力というものは重要だけれども、能力だけを持っていれば生きていけるというものでもない。生きるということは、心の発達が深く関わっているのだと、ありふれたことながら、また改めて実感した先生のお話でした。