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公開講座「文学と南(2)」③を開催しました。【生涯学習センター】

 6月27日(土)、野田宇太郎文学資料館(小郡市立図書館)において、公開講座「文学と南(2)―2015証言オキナワ」を開催しました。

 今回は琉球大学名誉教授であり、現名桜大学学長の山里勝己先生をお招きし、文学資料を基に沖縄の歴史を検証していきました。

 講座では、主に「コンタクト・ゾーン」としての沖縄について語られていました。「コンタクト・ゾーン」とは、異質の文化が出会い、衝突し、格闘する社会空間。相互の軌跡が交わるポイントを意味します。異質の文化は外国だけでなく、日本の中でも起こっています。例えば、1609年の島津氏の琉球侵攻に始まり、1879年の琉球併合、1880年の標準日本語教育の開始といったように、沖縄と本土の接触も一つのコンタクト・ゾーンとなっています。

 また1853年にペリーが来航した際に、沖縄占領案や沖縄島測量を行った事実は、ペリーのこの沖縄来島が100年後の1945年4月の米軍の沖縄上陸作戦に繋がっており、不思議にも21世紀に継続される沖縄の表象となっていることに驚きました。

 さらに「米国民政府布令第30号」によって1950年に開学した琉球大学の本部が琉球国の象徴である首里城本殿と同じ構図で同位置に建てられた事実は、沖縄に君臨する米国の沖縄占領政策を象徴していて非常に興味深いものでした。

 受講者の中には沖縄に住んだ事のある方が多く、方言や土地の呼び方といった、経験談からの質問が多く寄せられていました。 
 計3回の講義を通し、私自身も沖縄に一層興味がわいたように思いました。

 

報告/人間科学部人間科学科初等教育コース4年 渕上彩(公開講座サポーター)

 

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