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公開講座「文学と南(2)」②を開催しました。【生涯学習センター】

 6月20日(土)、野田宇太郎文学資料館(小郡市立図書館)において、公開講座「文学と南(2)―2015証言オキナワ」を開催しました。
 今回は元那覇地方裁判所所長の照屋常信氏をお招きし、戦後沖縄の歴史と裁判制度の在り方について検証しました。
 お話は以下の四点に焦点があてられました。
    ①二重構造の裁判所
    ②法の雑居状態
    ③戦争被害による事件の複雑困難性
    ④先輩司法官らの裁判の独立と司法自治権獲得への強い思い

 昭和20年4月に米軍が沖縄本島に上陸し、米国海軍軍政府布告第1号(ニミッツ布告)を発布したことにより、日本国の司法権は停止し、沖縄における日本政府の全権限が規制されました。裁判においても、琉球立法院による立法や旧日本法よりも、大統領行政命令や米国民政府の布告が優先されており、司法面でもいかに混沌の状態にあったかが感じられました。
 特に「サンマ事件」(高等弁務官公布の布令「物品税法」で課税の適用対象品と明示されていないサンマに課税したのは違法として業者が提訴した事件)や「友利事件」(1965年11月の立法院議員総選挙で宮古郡で最多得票数を獲得した友利氏が過去の選挙違反を理由に失格となり、選挙管理委員会を相手に争われた事件)は住民の生活と人権が米軍占領下でいかに日常的に剥奪されていたかが直に伝わってきました。

 受講者の方からは、罰金や使役に関すること、沖縄復帰と復帰後の沖縄支配の力量関係などといった質問が挙げられ、深い議論がなされました。
 次回は、文学の視点から検証していきます。

報告/人間科学部人間科学科初等教育コース4年 渕上彩(公開講座サポーター)

*今後の予定は、以下のとおりです。
司会進行:松下博文(文学部教授)
③ 6月27日(土)文学
ゲスト:山里勝己(琉球大学名誉教授・現名桜大学学長)

●公開講座の詳細・受講申込みはこちら↓↓↓↓
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