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公開講座「文学と南(1)」②を開催しました。【生涯学習センター】

10月11日(土)14:00~福岡市赤煉瓦文化館にて、「文学と南」第一回~山之口貘 生誕111年を語る~を開催しました。

「文学と南」というテーマのもと、今年で生誕111年を迎える沖縄出身の詩人山之口貘の人と作品について考える全4回の講座です。第2回目の今回は、「『新編 山之口貘全集』の魅力」ということで、長年、東京三省堂古書館に勤務してこられた倉繁修一さんにお話しいただきました。倉繁さんは学習院大学時代から貘さんの研究をされていたそうです。

お話のはじめに『新編 山之口貘全集』の成り立ちや構成(さかのぼり配列:新しい作品から古い作品へと詩を並べることを「さかのぼり配列」と言うそうです)について話されました。一般的に個人全集の場合、古い作品から新しい作品へと作品配列するのが通例ですが、貘さんは意図的に「さかのぼり配列」を採用していて、「今」という時間軸から過去を見つめていくような、現在の時制に立脚しながら過去へとフィルムを巻き戻していくような、特異な視点で詩作していることがうかがえました。
こうした思考のありかたに貘さん独自の詩作の営みと「いのち」の営みを見た気がしました。

また、 講座の中で、詩人の金子光晴さんや壺井繁治さんが書いた「石」をテーマにした作品が取り上げられ、これらの作品と貘さんの作品の読み比べを行いました。実際に比較してみると、貘さんの作品には自身の孤独感が強く現れていました。ところで、A~Eの作品の中で、貘さんの作品はどれでしょうか。

若い受講者も多く、今回の講座が若い方の関心が高いことも伺えました。質疑応答の際も受講者の方から積極的に参加されており、大変有意義な時間となりました。

報告/文学部英語学科2年 川﨑 梓(公開講座サポーター)
 

*今後の予定は、以下のとおりです。
司会進行:松下博文(文学部教授)
③10月18日(土) 山之口貘と琉球独立論
ゲスト:松島泰勝(龍谷大学経済学部教授)
④10月25日(土)  バクさんを唄う・沖縄を唄う
ゲスト:大工哲弘(沖縄県無形文化財保持者)

●公開講座の詳細・受講申込みはこちら↓↓↓↓
http://www.chikushi-u.ac.jp/lifelong/lecture/