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公開講座「アジア塾」②を開催しました。【生涯学習センター】

10月9日(木)アクロス福岡2階セミナー室2において第2回の公開講座「アジア塾-アジアの教育と学力-」が開催されました。第2回のテーマは「中国の女子教育について」でした。
講師は文学部アジア文化学科の崔淑芬教授です。

隋代から清代まで約1300年間続いた官史登用のための科挙制度の話から、女性を磨くための従来の思想“三従四徳”の話、一般家庭で育った班昭という秀才である女性が宮廷で人々に教えを説いた女性教育、纏足という足を強制的に小さくする話を含めた一般家庭教育の話などを歴史の視点から少しずつ読みていくという講座でした。

纏足をして足を小さくすることは“美の条件”の一つであり、結婚を決める時も足を見て決めていたという話を聞いて少し驚きました。現代では考えられないことが昔では普通だったということを知りました。
また女性教育という点では、家庭で班昭が書いた『女誡』という本を使って勉強をしたり、一部の中国の人々が視野を広げるために留米や留日したり、日本の女性が中国に渡り日本語を教えるなど日中の交流は昔から続いているのだと思いました。

和やかな雰囲気で、参加していただいた方々も楽しそうに聞いているように見えました。最後の質問では時間があまりなかったのにも関わらず、質問をしてくださりより一層内容を深めようとしている様子でした。講演後のアンケートには知らないことが知れてよかったなどの言葉が書かれてあり、とても有意的な時間を過ごせたと思います。

報告/文学部アジア文化学科 4年 安松 美穂(公開講座サポーター)

はじめに、隋の時代から清末期の1905年まで実施されていた中国の伝統的な科挙試験について話されました。ここでは、この試験は男性のみが受けられるものであること、試験分類、学習する書物などかなり詳しく、しかし分かりやすくまとめられていました。

そして、科挙が実施されていた時代の女子教育について、身体面と精神面の両面から女子がどのように縛られていたのかに触れた。身体面における束縛は、纏足といわれる女性の足を布や紐で何重にも縛って、小さい足をつくり出す文化です。起源は諸説ありますが、これがおこなわれていた時代は顔の美しさよりも足の小ささが重視されていた時もあったということに驚きました。さらに日本は中国からさまざまな文化を輸入していますが、私自身足のサイズが大きいので、纏足のような文化が日本に定着しなくて良かったと思いました。

また、学校などで学習する歴史では学ばないが、活躍した班昭や宋家三姉妹、秋瑾などの女性たちを具体例として提示しながら、彼女たちが受けた教育や留学と当時の一般的な女子教育の違いについて話されました。特に留学については、日本が積極的に中国人留学生を受け入れていたことがデータで示されたり、日本人が中国に教員として中国に行っていたりしたことが紹介されました。それから近代における中華人民共和国となってからの女子教育の変遷についても触れました。

報告/文学部アジア文化学科 4年 石田 裕佳(公開講座サポーター)

 

*今後の予定は以下の通りです。
③10月16日(木) インドにおける高等教育進学熱と教育格差
講師:針塚瑞樹(別府大学文学部講師)
19:00~21:00

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