お知らせNews

公開講座「第21回仏教学研究室公開講義」③を開催しました。【生涯学習センター】

10月11日(土)15:00から、柳川市の柳川総合保険センター「水の郷」において、第21回仏教学研究公開講座「ビジュアル~ブッダの歩いた道~」③初転法輪の地:サールナートを開催しました。講師は文学部英語学科の小林久泰准教授です。

第3回目である今回のテーマはサールナートです。「ビジュアル」を謳う講座らしく、現地の写真や絵本を用いた講座でした。

サールナートはお釈迦様がはじめて説法をされたところとして知られています。お釈迦様はブッダガヤで悟りを開かれましたが、あまりにもその悟りの内容が難解で、これを誰に伝えても理解してくれないと考え、説法するのを躊躇されました。しかし、ブラフマー神の懇願により説法をすることを決心し、昔一緒に苦行をした5人の仲間たちに会うためにサールナートまで移動されます。そして、その5人を相手に、はじめての説法(初転法輪)を行ったわけです。

お釈迦様は、皆にわかりやすく伝えるため、教えを四つにまとめました。それが「四聖諦」と呼ばれるものです。「苦諦」、すなわち、すべては苦しみであるという真理、「集諦」、すなわち、苦しみには原因があるという真理、「滅諦」、すなわち、原因がなくなれば苦しみがなくなるという真理、「道諦」、すなわち、苦しみの原因をなくす方法があるという真理というこれら四つの真理のことです。「四聖諦」の教えは、簡単に言えば、欲望があるから苦しみがあり、欲望がなければ苦しみもなくなるという大変シンプルなものでした。

また、仏教では、苦しみの原因を人間が持つ欲望、特に三大煩悩(貪・瞋・痴)と考えます。苦しみは自分の外側からもたらされるのではなく、自分の内側にある「間違ったものの見方」によってもたらされると考えるわけです。

実際に訪れた際の写真を使って仏跡を解説したり、その場所が「鹿野苑」と呼ばれるようになった由来を「ジャータカ」の絵本を使って解説したりと面白い講義でした。わたしはインドに行った経験がありますが、日本に居ながら、もう一度インドに触れることができたような気がします。

報告/文学部 日本語・日本文学科 3年 木原由希菜 (公開講座サポーター)


*今後の予定は、以下のとおりです。
④10月18日(土) 王舎城の悲劇:ラージキル
講師:宇治和貴(人間科学部講師)
⑤11月 1日(土) 涅槃の地:クシナガル
講師:中川正法(人間科学部教授)

●公開講座の詳細・受講申込みはこちら↓↓↓↓
http://www.chikushi-u.ac.jp/campaign/lecture/