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公開講座「第21回仏教学研究室公開講義」②を開催しました。【生涯学習センター】

10月4日(土)15:00から、柳川市の柳川総合保健福祉センター「水の郷」において、第21回仏教学研究室公開講座「ビジュアル~ブッダの歩んだ道~ ②成道の道:ブッダガヤ」を開催しました。講師は人間科学部の中川正法教授です。

第二回目は、成道の道:ブッダガヤについてたくさんの写真資料を用いながらの講座でした。ブッダガヤはお釈迦様が悟りを開かれた場所です。
ルンビニーで生まれたお釈迦様は王子として成長し、結婚もしました。ある日、見たことのない処へ行こうと馬に乗って出かけます。その時に老人、病人、死人の3人に出遇い「老苦・病苦・死苦」をかかえて生きなければならない「わが身の事実」を知ります。
その直後にお釈迦様は、身なりは質素だが非常に穏やかな沙門に出遇います。自らも出家をして沙門のような生き方をしたいと思い、ある晩の宴の後、出家を決意し城を出ていきます。出家後、約6年間断食など苦行の修行を行います。しかし、苦行しても自分が求めた境地には達することができないと苦行を放棄します。尼連禅河という河に入り沐浴し、スジャーターから乳粥をいただきます。そして、草を敷いてビッパラ樹の下で瞑想に入ります。瞑想の際、悪魔(マーラ)の誘惑を受けるも、それを退け悟り(bodhi)を得、ブッダ(Buddha:目覚めたもの)となります。悪魔を退け(降魔)、成道したことを「降魔成道」といいます。12月8日の明け方、35歳の時です。
お釈迦様が瞑想に入られた際に座ったビッパラ樹は、悟り(bodhi:菩提)にちなんで後に、「菩提樹」と呼ばれました。そして、ここに座ってお釈迦様が悟りを開いた場所だと、「金剛宝座」と呼ばれる大きな石が置かれています。この金剛宝座は土に埋まっていたのを、イギリスの考古学者カンニンガムが発掘しています。
インドにバールフトと呼ばれる遺跡があります。紀元前2世紀に造られたもので、その彫刻に金剛宝座、菩提樹と、「世尊、シャーキャームニの菩提の道場」という文字をもつ建物があります。これによりすでに紀元前3世紀にはブッダガヤに寺院があったことが分かります。ブッダガヤを訪れた歴史上の人物としてアショーカ王、三蔵法師玄奘、明治時代の留学僧小泉了諦さん、そして新仏教徒運動のリーダー佐々井 秀嶺さんについて紹介されました。
ブッダガヤは仏教徒の最大の聖地で、海外からたくさんの人々が巡礼に訪れています。

彫刻や建物の写真が多く使われ、実物を見ているかのようでとてもわかりやすく楽しい講座でした。最後には、コルカタからブッダガヤまでの旅を疑似体験しました。実際にインドに行っているかのような気分になり、ますますインドに興味を持つことができました。

報告/文学部英語学科 4年 角熊理歩 (公開講座サポーター )

 *今後の予定は、以下のとおりです。
③10月11日(土) 初転法輪の地:サールナート
講師:小林久泰(文学部准教授)
④10月18日(土) 王舎城の悲劇:ラージキル
講師:宇治和貴(人間科学部講師)
⑤11月 1日(土) 涅槃の地:クシナガル
講師:中川正法(人間科学部教授)

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