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公開講座「体験しよう!教育・保育の実際」③を開催しました【生涯学習センター】

9月27日(土)10:00から本学8103号室において、「体験しよう!教育・保育の実際 ③紙芝居はおもしろい!」を開催しました。講師は人間科学部の大元 千種教授です。


今回が最後となる、第3回目は紙芝居のおもしろさ、大切さ、そして紙芝居の歴史などを学んでいく講座でした。
紙芝居は日本独自の児童文化であり、「絵・文・語り」の三要素で構成されています。最古の紙芝居の元になっているのは12世紀前半の『源氏物語絵巻』だと言われています。そして、江戸時代に大衆文化で流行した「のぞきからくり」「写し絵」から派生しました。紙芝居はアナログのパワーポイントと言われ海外で高く評価されており、英語版の“KAMISHIBAI”も販売されています。
現在の紙芝居、平絵の形式に移行したのは1930年(昭和5年)頃です。紙芝居業者が作家・画家を抱え、紙芝居屋に賃貸して営業していました。拍子木を鳴らして子どもたちを集め、飴などの駄菓子を売って紙芝居をしていました。しかし、日本で戦争が始まると、紙芝居を児童教育に役立てようという運動が高まります。教育紙芝居が最盛期の頃には、国策のための戦中マスメディア(婦人会や子どもたちに戦争教育をさせる)利用されます。戦後はGHQにより戦犯扱いにもされました。また、テレビの普及に伴い、紙芝居の需要が減り姿を消していきます。しかし、最近では紙芝居が教育に良いと見直されており、平成10年に兵庫県の川西市で紙芝居の市内巡回が始まりました。また、老人ホームなどでも活用されています。

大元先生は紙芝居と絵本の違いも話されました。絵本は個人が対象であり、サイドストーリーがたくさんあります。紙芝居は読み手が仲介しなければならなく、集団を対象とします。また、集団で共有し集中できるよう図柄が単純でサイドストーリーが少なくなっています。保育園や幼稚園で大勢の子どもたちに読み聞かせするには、紙芝居が良いということです。

「絵・文・語り」という単純な仕組みにより一気に普及し、子どもから大人までの小集団を一気に引き込ませるのです。そのため、紙芝居は布教や戦争にも利用されたり、批判を浴びたりと悲しい歴史もあるなか、子どもからお年寄り、海外と国、年齢を問わず人々を魅了するのです。

講座後半には、実際に紙芝居を演じてみようということで、3名の方が実践されました。初めての方もいらっしゃり、とても上手に語ってくれました。大学生の私も、紙芝居の魅力に取りつかれ、とても有意義な時間を過ごすことができました。

報告/文学部英語学科 4年 角熊理歩 (公開講座サポーター )

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