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公開講座「アジア塾」①を開催しました。【生涯学習センター】

10月3日(木)、アクロス福岡にて、福岡アジア美術館学芸員の五十嵐理奈さんを講師にお迎えして、公開講座『アジア塾「東南アジアへの扉~もう一つのアジア~①花咲くミャンマー現代美術―激動する時代のなかで」』が開かれました。

民主化の動きが活発化するミャンマーの作家たちがどのような思いで作品を作り、社会主義や軍事政権の厳しい政治の中でどのように芸術に活動をつづけてきたのかという経緯を教えてくださいました。

今の日本では芸術家の表現の自由が認められていますが、少し前までのミャンマーでは検閲が厳しく、芸術家は芸術表現が理由で投獄されることさえあったそうです。五十嵐さんは2008年に初めてミャンマーの現代芸術家たちに出会い、逆境に負けない彼らの作品や情熱に感動し、福岡(日本)で彼らの作品を公開したいと思ったそうです。しかし、作品を福岡(日本)で公開してしまうことで、彼らが捕まってしまうことを恐れ、なかなか踏み切れなかったそうです。しかし、年々民主化の動きが高まり、捕まっていた作家も釈放されるようになりました。そのような動きもあって、2012年に福岡アジア美術館で展示会「ガンゴー・ヴィレッジと1980年代・ミャンマーの実験美術」を開くことができたそうです。

ヤンゴン大学での学生の民主化の動きや芸術活動についてのお話を聞いたときは、同じ大学生の自分たちにない情熱を感じました。

五十嵐さんは、サン・ミンさんという、ミャンマー最初の現代芸術家グループ「ガンゴーヴィレッジ・アート・グループ」のリーダーの体験談などを中心にお話しされました。彼は20代のころから作品を240作以上作っていましたが、厳しい社会情勢の中、ずっと公開できずにいました。しかし、五十嵐さんと出会い、彼の作品は日本という場所で様々な人々に感動を与えることができました。

質疑応答の時間ではミャンマーの社会情勢や民主化の動き、作品のことについてなど様々な質問がありました。五十嵐さんは丁寧に自分の体験を踏まえて、答えてくださいました。普段はあまりふれることのないミャンマーの現代芸術の素晴らしさに触ることができ、とても有意義な時間を過ごせました。

報告/文学部アジア文化学科3年 古井 ひとみ(公開講座サポーター)

 

*今後の予定は、以下のとおりです。
③10月24日(木) 東南アジアと日本・福岡
講師:③横山豪志(文学部准教授)

 

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