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公開講座「維新起原太宰府紀念編』の和歌(第2回目)」を開催しました

10月13日(土)、本学1202教室にて公開講座「維新起原太宰府紀念編』の和歌(第2回目)」を開催しました。講師は、本学発達臨床心理学科の赤塚睦男教授です。
江島茂逸「維新起原太宰府紀念編」に収められた五卿の歌を読み解いていくことを目的とした本講座、6月に引き続き第2回目である今回は、壬生基修・東久世通禧の歌を取り上げました。受講者に配布された「維新起原太宰府紀念編」の資料をもとに、時代背景や人物像に触れながら和歌を読み解いてゆきます。
資料として配られた13首のなかの1首、「かり枕 たのしみ物を 草木にも 馴にし名残露忘れめや」という歌の中で赤塚先生がおっしゃった「和歌というのは当時のコミュニケーションだから、この『も』というたった1文字に込められた気持ちさえも読み取らなくてはなりません」という言葉はとても印象的でした。
このように、和歌を和歌として淡々と読むのではなく、「贈答歌は相手を思いやる気持ちである」とし、和歌を贈りあう二人の心情に触れながらコミュニケーションとしての和歌を奥深いところまで読み解いてゆきました。
「時代が変わり、日本が変わり、確かに戦後日本は平和になった。けれども平和になったおかげで、本当の意味で和歌に込められた『感情』を理解できなくなってきているのではないか?」という赤塚先生の問いかけには、頷く受講者も多かったようです。
講座を終え、ある受講者の方に感想を伺ったところ、「赤塚先生のお話を聞いていると、和歌についてもっと勉強したい!と思えてきます。この歴史ある日本の文化を子や孫たちに伝えていけたらと思い、受講しておりますが、まだまだ勉強不足です。第3回が今から楽しみです。」とお話ししてくださいました。さまざまな観点から和歌の奥深さに触れることのできる、そんな講座であったように思います。
報告:現代教養学科2年 藤岡佐織