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公開講座「こどもの育ちを考える~こころ・発達・関わり方~」を開催しました

10月20日(土)、本学8103教室において「こどもの育ちを考える~こころ・発達・関わり方~」を開催しました。講師は発達臨床心理学科 酒井均教授です。
前期に引き続き第4回目である今回のテーマは、「発達の気になる子への対応」です。肌寒い天気にも関わらず、教室にはたくさんの受講者が集まりました。
講義はまず「発達とは何か」ということから始まります。様々な例や赤ちゃんの図を示しながら、発達とは「個人の環境の相互作用であること」、「分化と統合の過程であること」、また発達には「順序性」「連続性」「個人差」があることを説明されました。
それから、今回の講義の核心である「ことばの発達」「人との関係の問題」「行動の問題」「こだわりなどの問題」へと話は広がってゆきます。
「ことばの発達」では、子どもがことばを発するまでの過程を花のイラストに例え、<知的能力> <聴覚能力> <構音能力> <対人関係> 備わってはじめて子どもは言葉を話し、発展させてゆくことができるのだと説明されました。
講義の終わりに、「発達の気になる子には『どうしようもない子』はいない。必ず援助はできるので『うちの子はADHDだから…』『自閉症だから…』と諦めないでください」ということを繰り返し仰っていました。
質疑応答では「これからADHD(注意欠陥/多動性障害)や自閉症の子どもたちは増えてゆくのでしょうか」という質問があり、酒井先生は「もともとADHDの子や自閉症の子はたくさんいたと思います。増えてきたように感じてしまうのは、今の日本の社会がこのような子どもたちをあぶり出しているからではないでしょうか」と答えられました。
子どもの発達に関することばかりではなく、これからの日本の社会についても深く考えさせられる時間になったと思います。
報告:現代教養学科2年 藤岡佐織