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公開講座「近代の詩歌」②を開催しました。【生涯学習センター】

10月13日(土)太宰府市いきいき情報センターにおいて、公開講座「近代の詩歌」第2回「北原白秋の世界」を開催しました。
講師は、文学部日本語・日本文学科教授の中村萬里先生です。

第2回目の講座は、北原白秋『思ひ出』と柳川方言についてでした。
『思ひ出』には方言が使われています。それは何故か、というのを明らかにするために、まず、方言とは何か?を考えました。方言と聞くと“お年寄りの言葉”と思われがちですが、誰でもどこかの地域に属しているため、みんなが使っているものなのです。方言は地域との結びつきがあり、そこには地域差が存在します。そこで、先生自身が調査に行った先々での方言を、誰もが知っている桃太郎を題に、様々な地域の方言を聞き比べました。聞いていると、様々な方言がでてきてとても面白いものでした。しかし、最近では理解しがたい言葉が増え、地域差がなくなり、方言も減りつつあるということでした。
方言について少し学んだあとに、北原白秋の『思ひ出』に入りました。この詩集には、白秋が子ども時代に慣れ親しんだ柳川方言がローマ字で表記されています。そこで、北原白秋がどうゆう世界観をもってローマ字を使ったのかを考えました。故郷と幼年期の自分とに潔く訣別する、と『思ひ出』の「わが生いたち」に記されています。柳川方言を何故ローマ字書きしたか、それは方言をローマ字表記することで、そこに意味を持たせない。つまり、方言を形骸化したのではないか、ということでした。

方言というものは、地域と強く結びついている、ということがこの講座でよくわかりました。受講者のみなさんも、自分たちの身近にある方言を中心とした楽しい講座であったため、とても熱心に聞かれていましたし、時々笑いもあり、雰囲気もとても良い講座でした。また機会があれば、方言についてもっと学びたいと思いました。

報告/文学部アジア文化学科3年 柘真莉子(公開講座サポーター)

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