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公開講座「第15回仏教文化講座」⑤を開催しました。【生涯学習センター】

7月11日(水)太宰府市いきいき情報センターにおいて、第15回仏教文化講座「仏教入門~釈尊の教え~⑤智慧と慈悲」を開催しました。
講師は本学の文学部アジア文化学科教授・小山一行先生です。

釈尊の教えについて学んでいこうとするこの講座も、ついに最終回となりました。今回は仏教を学ぶ上でもっとも大切な基本となる、智慧と慈悲についてお話をいただきました。

まず、「三帰依」「三宝」に視点を置き、釈尊の人格性について語られました。
「三帰依」とは、仏(ブッダ)、法(ダンマ)、僧(サンガ)という三つの宝(三宝)に帰依し、これをよりどころとして生きるという意味です。ブッダとは目覚めた人という意味の釈尊の呼び名ですが、その他呼び名は10もあります(仏の十号)。ダンマとはブッダの目覚めの内容、およびその目覚めについて説かれた教えのことで、ダンマを学び自分も目覚めを得たいとする人々の集いのことをサンガといいます。釈尊は、自分がいたから仏教がうまれたのではない、私の目覚めた真実は、はじめから定まっていたことなのだと述べておられます。また、釈尊の呼び名には創造主や絶対的存在という類の言葉がないことなどからも、その人格性がうかがえます。

今回のテーマである智慧とは、釈尊が到達された目覚めの体験のことですが、知識とは大きな違いがあります。知識とは自我のモノサシでものを分けて知ることです。これに対して、「自我のモノサシ」から離れて、ものごとの真相をあるがままに見るのが智慧です。釈尊は智慧の完成者として仏陀と呼ばれましたが、その智慧は慈悲となって動き出し、如来(慈悲の具現者)と呼ばれるようになりました。仏教でいう慈悲とは、不染汚(無償の愛)であらゆる生きとし生けるものに向かう愛のことです。慈悲を伴わない智慧は、本当の智慧とは言えません。私たちは如来の慈悲のはたらきによって、智慧に至る道を歩むことができるという考えが、のちの大乗仏教に受け継がれていったのでした。

会場は先生のユーモアに溢れるお話で終始笑いが絶えず、楽しい講座となりました。今回智慧と慈悲について学ぶことで、自分や相手に対する考え方が大きく変わるきっかけになったのではないでしょうか。そして釈尊の教えが私たちに今もなお大きな影響を与えているから、5回にわたったこの講座も毎回多くの方々に参加していただけたのだと思います。

レポート/文学部日本語・日本文学科2年 篠原明梨 (公開講座サポーター)

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