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公開講座「第15回仏教文化講座」④を開催しました。【生涯学習センター】

7月4日(水)太宰府市いきいき情報センターにおいて、第15回仏教文化講座「仏教入門~釈尊の教え~④縁起」を開催しました。講師は本学の非常勤講師楠本信道先生です。

連続5回の講義によって釈尊が説かれた教えについて学んでいこうというこの講座も、第4回目となりました。今回は、縁起とは何なのか、釈尊が苦しみから逃れるにはどうするべきであると説いていたのかを、原始仏教を中心にお話しいただきました。

まず、縁起とは一体どういう意味なのでしょうか。楠本先生はまず「言葉」と「意味」の観点から、縁起についての解釈を語られました。この2つの事から考えると縁起とは縁って起こること、つまりAに縁ってBが生ずること(因果関係)であるのだそうです。更にこの因果関係はAの滅によってBが滅する、という因果関係も意味します。

次に、釈尊はこの世や来世での物欲や愛執などの執着を断ち切ることを理想としており、生まれることによって色々な因果関係が起き、そのことから老いや病気、死などの苦しみが生まれるのだと言及したというお話を聞きました。つまり生に縁って死が生じ、また生まれることが無ければ生の滅によって死が滅するという訳です。

また、釈尊は人々の「生まれ」ではなく「行為」を重要視しており、人間は生まれではなく行為によってなるものが決まるのであると言及しています。人間は行いによって盗賊にも武士にもなるというのです。

今回仰られた教えの中に「神」という言葉は出てきません。つまり人間の苦しみに「神」というものは何ら関与しておらず、「原因がないまま(または運命や宿命によって)自分に苦しみが生じている」という事はないのだそうです。その為、苦しみを終わらせるためには「自分の行為や努力する事の意味」を見出し自分自身の無明(無知、愚かさ)が原因であることを知り、自分自身の無明を無くし行動や考え方を改める必要がある、と楠本先生は話されました。幸福を生じさせる為、苦しみを滅する為には自分自身がまずその因果関係の元となる行動を行わなければならないのだという事を、この話を聞いて気が付かされました。

今回は天候に恵まれませんでしたが、沢山の方にご来場していただきました。縁起について学ぶことで、自分の行動や考えを振り返るきっかけとなったのではと思います。

レポート/文学部日本語日本文学科3年 前谷佳苗(公開講座サポーター)

*今後の予定は、以下のとおりです。
⑤ 7月11日(水) 智慧と慈悲
講師:小山一行(文学部教授)

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