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公開講座「第15回仏教文化講座」③を開催しました。【生涯学習センター】

6月20日(水)、太宰府市いきいき情報センターにおいて、第15回仏教文化講座「仏教入門~釈尊の教え~③三法印」を開催しました。
講師は本学人間文化研究所リサーチアソシエイトであり非常勤講師の小林久泰先生です。

35歳で悟りを得られた仏陀釈尊が説かれた教えについて今一度学んでいこうという、全5回に渡る講座も第3回目。今回は三法印を通して、仏教の教えが目指しているものについて学びました。

「三法印」とは、諸行無常・諸法無我・涅槃寂静の3つの教えのことです。この教えは日本に馴染の深いものであり、それは「いろは歌」や法隆寺の玉虫厨子、さらには『今昔物語集』に収録されている説話などに見られます。 

諸行無常の「無常」とは、変わらないものなどなく、世界の全ての現象は絶えず変化しているということ。諸法無我の「無我」とは、実体的な存在としての「我(=自分)」というものは存在しないということを意味しています。これだけを見ると、否定的な言葉ばかりが使われているため、仏教とは否定的で厳しい教えのように思うかもしれません。しかし、「無常」であり「無我」であるからこそ、苦しみやその原因である煩悩も永遠に続く実体的なものではなく、なくなるわけなのです。
普段私たちは、物事を、本当は無常なものであるのに常住であると勘違いし、本当は無我であるのに何かしら実体的なものがあると勘違いして、それに執着し苦しんでいます。このような勘違いを正した上で、本当の「楽」である「涅槃寂静」を求めるべきだと釈尊は説いています。
つまり仏教とは「この世界が無常であり、苦であり、無我である現実を正しく認識することで、苦から完全に解放された境地に達すること」を目指す教えなのです。

当日参加された受講者の方々はメモを取りながらとても熱心に講義を聞いておられ、沢山の質問をされていました。

人は今も昔も変わらず、無意識のうちに逃れようのない苦しみを先延ばしにしよう、見ないふりをしようとしています。釈尊の教えは、そのような私たちに苦しみという現実と向き合う機会、どう生きていくかを考える時間を与えているのではないでしょうか。

レポート/文学部日本語・日本文学科4年 松永華子(公開講座サポーター)

 

*今後の予定は、以下のとおりです。
(受講受付は終了いたしております)
④ 7月 4日(水) 縁起
講師:楠本信道(大学非常勤講師)
⑤ 7月11日(水) 智慧と慈悲
講師:小山一行(文学部教授)

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