お知らせNews

公開講演会「福島事故の教訓~脱原発社会への現実的シナリオ~」を開催しました。【生涯学習センター】

6月16日(土)福岡市中央区天神にあるエルガーラホール7階多目的ホールにおいて、短期大学部現代教養学科の主催公開講演会『福島事故の教訓~脱原発社会への現実的シナリオ~』が行われました。
講師は九州大学副学長、大学院比較社会文化研究院教授の吉岡斉先生です。

今回は東京電力福島原発における事故調査・検証委員会の委員である吉岡先生が原発についてどのように考えていらっしゃるか、またどのように原発と関わってこられたかについてお話しいただきました。2011年3月の福島原発事故が記憶に新しい今、それをきっかけにエネルギー問題・原発問題について考えるべきであるということ、政府の立場から原発問題に関わってどう感じたかについてお話しになる吉岡先生の言葉を会場の方も真剣にメモを取りながら聞いておられました。

今事故の影響から多数の原発反対の声がありますが、吉岡先生は絶対評価ではなく相対評価の立場から原発を批判しておられ、ただ危険だから悪いというだけではなく他の発電と比べ劣っている点が多いのに政府が支援をしてまでやるべき大切なことなのだろうかというお考えでした。このお話を聞き私自身も今まで原発は危険だから止めた方が良いのではないかという曖昧な考えしか持っていなかった事に気付かされました。更に吉岡先生は石油火力での発電を札束を燃やすようなものであると比喩し石油による火力発電にコストがかかりすぎるという事について言及されました。火力発電は6割が燃料費でありコストが10年前と比べ4倍まで上がっているのだそうです。そこで原発を廃止しても石油火力で補うことは出来るが、コストがかかりすぎる為、電力消費の多い夏場だけ臨時で原発を動かしてはどうだろうかと中間的な意見を提示されました。このお話は多くの方が廃止するか廃止しないかという両極端な結論ではなく、この様な考え方もあるのだなと考えるきっかけとなったのではないでしょうか。

福島原発事故で起こりえた最悪の事態というお話があったこともあり、質問では現在の福島原発の様子を尋ねる声や震災がれきを受け入れた時に出る被害はどうだろうかと心配する声が上がりました。

当日はあいにくの雨にも関わらず多数の方にご来場いただきました。質疑応答の際には質問が相次ぎ、改めて原発問題への関心の高さがうかがえました。

 

レポート/文学部日本語日本文学科3年 前谷佳苗(公開講座サポーター)

●公開講座の詳細・受講申込みはこちら↓↓↓↓
http://www.chikushi-u.ac.jp/campaign/lecture/