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日文の学び ** 自主活動 ** 本が好きだ→司書講習を受けてきた→検索のコツを知ってもらいたい→「お役立ちBook」を作った

今回紹介するのは、日文3年生(現在4年生)の上野さんが、学生図書委員の活動の一環として自主的に作成した「資料検索お役立ちBook」です。
上野さんは、夏休みに司書講習を修了した経験をもとに、資料検索のコツを多くの学生に知ってもらいたいと思い立って、この冊子を作ったそうです。(※)
それらの経緯や、冊子にこめた思い、工夫について語ってもらいました。

(※)本学では、司書資格を取ることはできませんが、教職課程を取り、その上で司書教諭の資格を取る事はできます。
  司書の資格を取りたい学生は、毎年夏休みに別の大学へ講習を受けに行くか、近隣の福岡女子短期大学の授業を受講することで、
  必要単位を取得しています。

「資料検索お役立ちBook」とは?

 レポートを書くとき、参考にする本や資料が見つからないことってありますよね? この本はその資料探しのコツを集めたものです。なぜか調べ物に詳しい謎の「怪盗X」と、まだまだ調べ物初心者の一年生「筑紫花子」さん。この二人が会話をしながら、図書館検索のコツ、またカーリルなどの資料探しに便利なサイトを紹介していきます。全5章構成(0章含む)で、計72ページの力作です。

これを作ろうとしたきっかけは?

 一つは、「便利なものをみんなに知ってもらいたかった」というのと、もう一つは「それを紹介してくれるような、自分の欲しい本がなかったから」というのが理由です。
 私は三年生の夏に司書講習を受けに行き、そこで資料検索についての技術を学びました。実は勉強して分かったのですが、司書の調べ物の技術は大学生の勉強に非常に役立つんですよね。例えば司書の勉強をすると、調べ物をする場合にどんな資料を使ったらいいのかという本の知識と、どの資料を探したらいいのか当たりをつける能力が身につきます。大学に戻ってからは、この技術がレポートの調べ物をするときにとても役に立ちました。

 でも、勉強に役立つ便利な知識なら、他の学生にも知ってもらいたい。そう思ったのがきっかけです。あと、自分がもともと使っていた便利なサイトやブログを紹介したかったというのもあります。自分が何気なく使っているサイトでも、他の人は意外と知らなかったりするので。
 ところが、そういった司書の技術や検索のコツを分かりやすく紹介した本がないんです。当たり前ですが。「それなら自分で作ってしまおう」と思ってできたのがこの本です。

工夫した点はありますか?

 「誰が読んでもいい本」と「読んで面白い本」にすることを心がけました。

 この本は、1月中旬に学生図書委員が開催した、レポート検索講習会の参加者プレゼントとして配布したものです。そもそもこの講習会自体が、どの学部の学生が来てもいいように「レポートのための検索」をテーマにしました。そのため、プレゼントであるこの本も、どの学部の学生が読んでも役に立つような内容にしています。また、講習会の復習とその内容を補うようになっています。怪盗Xも筑紫花子も、講習会のストーリーで登場したキャラクターです。

 読んで面白い本にした、というのは、どうせなら受け取った人にできるだけ読んでもらいたかったためです。例えば、ただ字がみっちり書かれた分厚い冊子だったら、あんまり読む気がしないじゃないですか。どんなに頑張って作っても、読まれなければ意味がないので、読んでもらえるように工夫をしました。具体的には、ストーリーで分かりやすく、また読んでて面白い内容にしたり、あとレイアウトやデザインを情報の教科書風にすることで見やすくしたりしました。また、紹介したサイトをすぐに使ってもらうために、一つ一つにQRコードを載せています。

内容について

 この冊子は司書講習で学んだ知識だけではできていません。実は、私のいままでの大学生活の趣味や経験が盛り込まれています

 1章で花子が困っている「仏教学の資料が借りられている」状況は、実際に私が一年の時に体験したことです。自分と同じような体験をする学生はおそらく毎年いると思うので、後輩へ向けてのアドバイスのような意味を込めています。0章、1章のブリタニカ・オンラインの検索例やフランスの処刑人の検索例も、実際にその検索をやった事があったためです。ゲームに出てきた歴史上の人物を調べようとした事がきっかけです。他にも、私の好きなブログが紹介されているなど(むしろ紹介するために本文を書いたと言っても過言ではない)私の趣味が随所に盛り込まれています。

 また、この冊子を作る上で、周りの影響も結構受けています。4章で Student Room について紹介していますが、これは前に Student Room の存在を知らない学生が多いと聞いたためです。また、この冊子のデザインをする上で役立ったのが、現代社会学部の「メディアコンテンツ演習」という授業です。DTPソフトの使い方を覚えたり、雑誌の誌面をデザインしたりする授業で、ここで学んだことも冊子作りに生かされています。そして、この中とじ製本の仕方。これは、私が所属する文愛倶楽部(文芸サークル)で学んだものです。

以上のように、いろんな要素が組み合わさって、この冊子は完成しました。

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