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【日文の学び】2年目の入学式を迎えて ✿ 02

2年目の入学式を迎えて ✿ No.2

2020年度の1年生(新2年生)に、2年目の入学式を迎えた想いを聞きました。

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新しい始まり

福岡女子高等学校出身
相川 天音

 昨年の4月、私たちは真新しいスーツに身を包み新しい生活に期待を抱いて入学式に参加するはずだった。しかし、新型コロナウイルスという世界的疫病によって入学式は中止となってしまった。

 新型コロナウイルスの予防方法や対策が分かるようになり、対面授業が行われるようになったが殆どがオンライン授業だったため、大学生になったという実感がわかなかった。そんな状況で大学生になったと実感するのは、新しく買ったパソコンと授業に悪戦苦闘しているときや、入学式の為に買ったスーツが部屋で寂し気にぶら下がる様子を見るときだった。

 1年が終わり大学に慣れた頃には、後輩が出来ている。私たちが筑紫女学園大学の学生になれたと本当に感じられるのはいつなのだろうか。自覚した頃には卒業目前となってはあまりにも寂しすぎるのではないか。そういった気持ちから、「私が大学に入学したのは家で授業を受けるためだったのだろうか」とパソコンを見詰めながら何度もため息をついていた。無事に1年間過ごすことが出来てホッとしたが、気持ちはどこか他人事だった。在学生オリエンテーションの予定表を見た時は、希望よりも不安があった。

 在学生オリエンテーションの説明と共に『改めての入学式』という案内メールが届いた。オリエンテーションの前に30分行うというその入学式は、私にとっては重要なもののように感じた。

 『改めての入学式』当日、私はAクラスの代表として新入生宣誓を務めた。部屋で寂し気にぶら下がっていたスーツは新入生宣誓で本領を発揮し、私の気持ちを引き締めてくれた。

 宣誓文は長くはなかったが、筑紫女学園大学の学生としての誇りと責任を自覚するには十分な長さだった。Bクラスの代表と呼吸を合わせて一緒に宣誓文を読みあげた。二人で一緒に読むという行為には、コロナ禍でバラバラになっていた私たちを1つにするという重要な意味があると感じた。『改めての入学式』で日文科の先生方から、2年生という新しい始まりの前に改めてスタートを切るきっかけをもらったように思う。私たちは、少し遅れてしまったが「新しい始まり」のスタートを切ったのだ。

 これから先、コロナウイルスと共存していく中で、不安や生活の変化で悩むことがあると思う。しかし、宣誓文の「本学の建学の精神のもとに、自他敬愛し、常に融和協力して学業に励むこと」を胸に刻みこれからの学生生活を頑張りたいと思った。

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