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【日文の学び】2年目の入学式を迎えて ✿ 01

2年目の入学式を迎えて ✿ No.1

2020年度の1年生(新2年生)に、2年目の入学式を迎えた想いを聞きました。

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新しいスタート

林田 華奈

 うららかな春の日差しの中、私たち日文科新二年生の一年越しの入学式が執り行われた。約一年前、突如として現れた未知のウイルスは私が描いていた理想の大学生活を悉く奪い去った。そんな一年間を過ごした私にとって、この入学式は様々な面で新しいスタートを切るための絶好のチャンスのように感じられた。

 式典の中で私が最も印象に残ったことは、式の初めに行われた勤行だ。私自身、勤行という儀式に参加することは初めての経験であり分からないことも多い中で、最初はなかなか上手く唱えることができなかった。しかし、慣れてくるにつれて周りの皆と声を合わせて重誓偈を唱えることで改めて自分が日文科の生徒であるという自覚が芽生え、全てを唱え終えた時には清々しい達成感を味わった。それと同時に、この儀式が自分の一年間の歩みと重なるような感覚を覚えた。

 思い返せば一年前、大学生活に関して右も左も分からない状態でパソコンでの遠隔授業が始まった。周りには気軽に相談できる友達などおらず、不安と闘いながらの日々が続いた。コロナの影響によりサークル活動や新入生歓迎会が行えるはずもなく、新しい出会いの機会も失われた。しかし、大学生活には弱音を吐いている暇など無かった。兎にも角にもやるしかなかったのだ。私は不安を抱きつつも周りに置いて行かれないように、必死に、講義や課題作成に取り組んだ。そんな一年を終えて春休みに入り全ての成績が出揃った時、私は優劣を気にするよりも前に大きな達成感を味わった。このような経験と重なり式典の中での勤行は私にとって印象深いものとなった。

 コロナ禍での大学生活は失うものばかりだっただろうか?コロナ禍に晒された学生だからこそ得られた力があるのではないか?私は今回の入学式を終えて、大学一年次の経験を糧に次学年へ向けて新しいスタートを切ることを決意した。

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