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石其琳先生特別講義

石其琳先生特別講義「異文化理解の盲点とは何か?」

 2021年1月14日(木)2限のアジア文化学科専門ゼミナールⅡでは、今年度退職予定の石其琳先生を迎え、「異文化理解の盲点とは何か?~ひとりの「外国人」教育者、そして「日本居住者」として日本への思いと期待を語る~」と題する特別講義が開催されました。オンライン参加者(57名)や駆けつけてくださった卒業生(4名)、他学科の先生方を含め、100名を超える参加者が、石先生の専任教員としての最終講義に耳を傾けました。

 講義では、異文化理解とは「知的認識」と「潜在的個人感情」から構成されているとし、現在の情報が氾濫する社会において、知識と検証力不足により、逆に情報を鵜呑みにし、「誤解」してしまう危険性があることなどについて、ご自身の外国人としての体験やこれまでの研究等を踏まえてのお話がありました。

  授業を受けた学生さんからは、以下のような感想が出されました。

○「知ることの大切さ」について、改めて考える機会となりました。対人関係においても、他人から聞いた悪い印象や外見だけで判断するのはよくないことと同じように国同士においても他国のことを一部の情報だけで判断してはならないと改めて気づきました。しかしながら、自分の住む国以外は断片的な情報や悪いイメージを持たせるような情報など正しい情報を入手しにくい環境にあります。だからこそ「学び」が必要であるということが分かりました。

○石先生の最終講義とても印象深い内容でした。異文化理解というのは難しい問題だと思います。私も韓国に留学していた時に外国人として生活しながら異文化を沢山体験しました。今回の講義では日本から見た中国についての異文化が大きなテーマでしたが、韓国にいるときにも実際にイメージだけで判断していることあったし、逆に日本のことで間違った認識を持っている人もいることを知りました。情報が簡単に沢山手に入る時代だからこそ、全部が正しい情報ではないんだということを頭において情報活用しなければならないと改めて思ったし、イメージだけで他の国のことを判断してはいけないと思いました。

○22年間にも渡って教鞭を取られていらっしゃった石先生が退かれるということで、特別講義もとても感慨深く拝聴しました。今回の特別講義では新型コロナウイルスを中心とした異文化理解の盲点について、ここだけのお話も交え熱く語って頂き、メディアを通して偏っていた自分の考えが改められました。

○とても濃い時間でした。とても豊富な話を聞くことができ、ためになりました。今まで知らなかった情報や知識もたくさん知ることができました。私にとっての異文化も日常、生活そのものです。その異文化に問題や誤解が起こってしまうとすごく悲しいし、困ります。一人一人が正しい情報、事実を知り、偽情報に惑わされない努力が必要です。そして、日本と中国、日本と世界の架け橋になれると良いなと思います。