私は今年2020年3月にアジア文化学科を卒業しました。卒業後はホテルへの就職が決定していましたが、新型コロナウイルスの影響で入社が延期になっており、今は自宅課題期間となっています。私たち今年の卒業生は大学の卒業式・謝恩会も中止となり、お世話になった先生方や4年間一緒に頑張ってきた友人とも会えないままの卒業という形になってしまい、卒業したという実感のないまま学生生活を終えることとなってしまいました。とても残念でしたが、しっかり社会人としてやっていこうと思い始めた矢先、入社延期の連絡がきました。中には同じような状況の友人もいますが、すでに仕事が始まっている友人もいます。慣れない仕事を頑張っている友人がいる中、私自身モチベーションが下がってしまうこともありますが、会社より出されている課題を行ったり、中国語の勉強をしたりしながら10月の入社へ向けて万全の体制を整えようと思っています。

　私は小学生の高学年の頃に「海外」というものに興味を持ちました。初めは「英語」というものからのスタートでしたが、「これからはアジアの方が多く日本を訪れるようになるから学んでおくことはいいことかもしれない」という高校の先生からの勧めもあり、大学では「中国語」を学ぶことに決めました。 いざ入学してみると、アジア文化学科・そして先生方は個性がとても強く、それまでアジアに対しての興味が薄かった私はここで4年間やっていくことができるのかととても不安になったのを覚えています。しかしその不安はいつの間にか消え、色々なことを自然と楽しんでいる自分がいました。アジア文化学科では中国や韓国などの東アジア以外にも、西アジア・東南アジア・南アジアと色々な地域のことについて学びます。初めはさほど興味がなかったのですが、今ではニュースで世界のことが取り扱っているのをみると見入ってしまうほどになりました。学んでいく中で、知識が増え興味が湧き、実際に足を運んでみたいと思いマレーシアに旅行へ行ったこともあります。また学科のイベントでは「餃子パーティー」や「韓国料理パーティー」などもあります。実際に中国・台湾・韓国の国籍を持つ先生方が教えてくださって餃子は生地から作ります。留学生も参加してくれるので毎回とても楽しくその国の文化に触れることができます。このようなことが経験できるのもアジア文化学科ならではだと感じます。

　そして大学生活の中で何よりの経験は大学３年の時の台湾留学です。入学当初からの夢だった海外留学でした。長期での海外経験がなかった私は半年間での留学に決めました。今となっては半年ではなくもっと長くいたかったという思いもありますが、これからも行く機会はあると思うし、何より大学生の期間に行くことができたということが私にとってとても大きなものとなりました。 実際に現地で生活するのは簡単ではありません。中国語は大学に入って勉強はしていたものの実際に行ってみると口から言葉が出てこなかったり、語彙力の少なさから買い物１つするのに時間がかかったり、さらには留学中に胃腸炎のようなものになったりと、大変なことは山ほどありました。でもそれ以上に楽しいこともたくさんです。ルームメイトや他の外国人留学生・日本人留学生にも恵まれ、今でも連絡を取り合ったり、お互いの住んでいるところへ足を運んだ際には会ったりもしています。 先日、九州豪雨の際には台湾人の友人が連絡をくれました。留学の期間が終了しても心配してくれる友人を持てたことは私にとって誇りです。 今は実際に会うことは難しい状況ですが、また行けるようになったら友人のいる国はもちろん、色々な国へ足を運びたいと思っています。

　この大学生活の学びの中で、私は色々な人の意見を取り入れることができるようになり、色々な方向から物事を考えることができるようになったと思っています。「自分」そして「日本人」としては当たり前だと思っていたことが、他の国の人からすると当たり前ではない。留学をしたからこそ、このような考えを持つことができました。だからこそ楽しいんです。色々な考え方があるから色々なことが編み出される。社会人として物事を多方面からみることは大切だと思います。これからもしっかり学んで成長していきたいと思います。

　今は海外へ旅行へ行ったりということが難しい時期ですが、また行けるようになったらぜひ行ってみてください。長期でなく短期でも実際に行ってみるのと資料などで見るのとでは大きく違います。大学生の一番時間がある期間だからこそたくさんの経験をしてみてください。 もし何かに迷った時は先生方に相談するのも一つの方法です。アジア文化学科の先生方はとてもとても個性が強いですが、相談にはとても親身にのってくださいます。色々な経験をされているからこそ、色々な考えや方法をくださいます。

　わたし自身この大学に入学し、この学科で学び、先生方に出会えたことはとても大きいです。卒業する時にそう思える充実した大学生活を送れることを祈っています。　黒田朋美