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【令和✿万葉✿太宰府特集】❀三月、曲水の宴に学生が参宴しました❀

太宰府天満宮「曲水の宴」に日本語・日本文学科の学生が参宴しました

 

令和2年3月1日(日)、太宰府天満宮にて、春の神事「曲水の宴(きょくすいのえん)」が開催されました。この神事は、平安時代の宮中行事を再現したもので、十二単(じゅうにひとえ)などの平安装束に身をつつんだ参宴者が、思い思いの和歌を詠みあう行事です。

その「曲水の宴」の姫役を、筑紫女学園大学の推薦で、日本語・日本文学科の藤原みのりさん(4年生、当時)が務めました。

太宰府天満宮の神木である飛梅に関する和歌、また、今年の夏に行われるオリンピックに関する和歌などが詠まれる中、藤原さんの詠んだ和歌は、次のようなものでした。

     天地の 御代ひらけゆく 令月の 梅花の宴に 鶯鳴くも
     (あめつちの みよひらけゆく れいげつの ばいかのえんに うぐいすなくも)

このうたは「空と大地からなる美しい時代が、いま、はじまります。それを祝福するように、この令月の梅花の庭で鶯も鳴いています」といったように訳してみることができるでしょうか。

日本語・日本文学科の学生らしく、新年号「令和」の由来になった『万葉集』巻五「梅花歌三十二首并序」をふまえつつ、草木が生き生きと芽吹く春の風景を思い起こさせ、そして、これからの先の未来をたくましく歩もうとする姿勢を感じさせるような、非常に優れた万葉調のうたでした。

 

 

筑紫女学園大学日本語・日本文学科の授業は、教室の中での学びだけではなく、折々に、大学のすぐそばにある太宰府天満宮にも出かけ、そこで育まれてきて文学や文化・歴史を学んでいます。

藤原さんは、そうした学びをしっかりと活かし、素晴らしい和歌を詠んでくれました。

※なお、本年度の「曲水の宴」は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、一般観覧席を閉鎖して執り行われました。
季節もうつろって、大祓を迎える時期となってしまいましたが、コロナと梅雨を吹き飛ばす涼やかさをご覧ください。

     須藤圭(日本語・日本文学科准教授)

No.94 **********

2019年「曲水の宴」の様子はこちら


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