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授業紹介シリーズ⑩【初等国語科概論】
入学したばかりの1年生前期の講義です。
何よりの目的は国語を好きになってもらうことです。
新学習指導要領では、言語活動を通して国語科の資質・能力を育てることがこれまで以上の目標とされました。
この講義でも多様な言語活動を展開することで、その楽しさを味わってほしいと思っています。
では、そのいくつかを紹介します。
1 読み聞かせ
保育、学校現場で大切にしてほしいと思っているのが「読み聞かせ」です。
全時間を通して、グループで順番に絵本の読み聞かせをしています。
読み聞かせた本は、将来現場で役立つよう「読み聞かせノート」として残します。
最初はぎこちなかった読みは回を重ねるごと、友達の読みを聞くごとに上達していきます。
2 方言大会
4月には方言大会をします。
いろんな地域から集まってきた友達と知り合うために、「うち、しってんねん」の詩を自分の故郷の言葉でリライト(書き直し)します。
その後グループで読み合い、一番楽しい言葉を選びます。
その後、グループで選ばれた言葉で音読の練習をします。
方言指導は、もちろん選ばれた人。
最後は「方言大会」を開催します。
グループ全員で詩を音読し、聞き手は方言の面白さ、表現方法について採点します。
リフレイン(繰り返し)や群読の手法を取り入れたりと、様々な工夫がされ、楽しい学びになりました。
「同じ九州なのに、こんなに言葉が違うなんて。」
「方言って可愛いな。」
「同じ佐賀でもずいぶん違う。」
「普段は方言をあまり使わないので、おばあちゃんに聞きました。これから使ってみようと思いました。」
など、方言の良さを改めて見直す感想がたくさん生まれました。
3 ビブリオバトル
これは、読書の楽しさを知り、読書習慣へと繋ぐための活動です。
まず、個人が好きな本を持ち寄り、グループで紹介します(幼保は絵本)。
グループの中で一番読みたいと思った本を一冊選び、みんなでその本の紹介方法を考えます。
全体の場で紹介し、一番読みたい本を選びました。
一部分を読んだり、クイズ形式にしたりなど個性溢れる紹介ができ、楽しい活動になりました。
4 句会
グループ活動にもずいぶん慣れてきたので、6月は句会をしました。
それぞれが“夏”というテーマで、5句予習で作ってきます。
その中から1句を選び、投句用紙に記入します。
それを隣のグループに回し、一句選びます。
写真は投句された俳句を選んでいるところです。
各グループで選んだ句を掲示し、なぜその句を選んだのか発表します。
その後、全員で自分の好きな句を選び、金・銀・銅を決めます。
選ばれた人が創った思いを述べると、
「えーっ、そうだったの」
「そんな気持ちが込められてるなんて」
「やっぱり、わかるわ~。」
などの声があがり、友達の思いに共感する姿がみられました。
俳句の楽しさを味わうと共に、他の思いを認め合うことの大切さを感じてくれたようです。
どの時間においても個で活動する時間、グループで協働、共有する時間、全体で協議、認め合う時間を取るようにしています。
初めてあった友達が学びを通してお互いを認め合えるようになっていく姿は素晴らしいと思います。
5 その他にも
その他にも毛筆や硬筆の時間もあり、盛りだくさんです。
活動を通して日本文化の良さ、日本語の素晴らしさ、言葉のもつ力について実感してくれたようです。
小学校、保育の現場で働きたいと思っている学生にとって大切な経験、4年間の学びのスタートにふさわしい学修になっていると思います。