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『筑紫語文』第28号ができあがりました【日文の学び】

 『筑紫語文』は、前年度の優秀論文を中心に、博物館学芸員課程や教職課程、日本語教員養成課程の活動、文芸創作科目の作品などの学修成果と、学科として行っている特別講義・公開講座の報告や教員の研究余滴・コラムなどを掲載しています。本学科の全体的な学習活動を表すものとして、1回生の卒業以来、継続して刊行してきました。

 第28号には、3点の論文と1点の文芸創作作品を掲載しています。

  岡崎綺堂とシャーロック・ホームズ
     ーー延原健訳『バスカーヴイル家の犬』と
      『半七捕物帳』「白蝶怪」の比較的考察ーー
  出光佐三の地域貢献 ーー宗像大社の復興を中心にーー
  “確信犯”の使用実態からみる意味変化の研究
  文芸創作「たったひとつの指輪」

 このほかコラムとして、「南島と大宰府 ーー唐僧鑑真が通った道ーー」(松下博文教授)、「新語『令和』の誕生(髙山百合子教授)の2点を掲載しました。

 以下、松下教授による編集後記を転載します。

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 卒業生のみなさまおかわりありませんか。改元に伴う「令和」ブームで太宰府は一段とさわがしくなりました。四月まで閑散としていた都府楼奥の坂本八幡神社には、連日大勢の観光客が押し寄せ、苔むした自然道は固くなり、小動物の通り道さえ、やがて人道に変わりそうな気配です。

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 「筑紫語文」28号をお届けします。例年に比べると冊子は薄くなりましたが、ゼミ担当の先生から推挙された三本の卒業論文は、いずれも、文章力、構成力、洞察力にすぐれ。四年間の学びの集大成にふさわしい論考に仕上がっています。また、小説「たったひとつの指輪」も、表現したい内容がしっかりと構造化され、安易な感覚表現に流されずに、コトバと向き合いながら丁寧に文章化しようという意図が見られます。読者を書き手の世界へ引きずり込んでいく強い求心力を持っています。

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 「博物館実習体験」「教職課程報告」「日本語教育実習体験」にはさまざまな思い出が詰まっていることでしょう。大学時代の貴重な体験を今後に生かしてほしいと願っています。学科主催の公開講義・公開講座も例年通り行われました。感性豊かな新入生に良質の刺激を与え続けています。日本語・日本文学科は一歩一歩堅実に進んでいます。今後ともよろしくご支援くださいますよう心よりお願い申し上げます。

  石蕗の花 父の影 母の影  (南牛)

松下記

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過去の『筑紫語文』紹介記事は、こちらをご覧下さい。

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