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「筑紫想い出カフェ2019」公開講座を実施しました

学内コラボ ! 学芸員課程 × 社会福祉士養成課程=「地域回想法」

公開講座で「地域回想法」について学びました。回想法とは、昔懐かしい道具などについて語り合うことで、過去を振り返るという一種の心理療法で、高齢者福祉の現場で着目されつつある手法です。文学部学芸員課程と人間科学部心理・社会福祉専攻の社会福祉養成課程では、協力してこの地域回想法に取り組んでいます。公開講座では、回想法にどのような効果があると期待されているのか、また、回想法を行うにあたって何が大切なのかなどを学び、理解を深めました。

5月14日、医療法人牧和会の松尾カヨ先生を招いて「懐かしい思い出の会」の話をしていただきました。この「懐かしい思い出の会」を実施するにあたって、昔の道具を囲んで共通の話題をみつけみんなで楽しく話をしたり、コミュニケーションのきっかけをつくったりします。このような活動が高齢者の方々にとって認知症の予防につながるそうです。講義では実際に回想法を試してみました。学生と一般市民が一緒にグループワークを行い、昔使っていた道具を見て話し合い、昔の思い出などを聞いて盛り上がりました。

5月28日には、久留米大学医学部看護学科の古村美津代先生を招いて高齢者と回想法の関わりについて深く学びました。回想法の効果としては、高齢者の対人関係の進展を促すことができ、孤独な生活から抜け出すきっかけにもなるそうです。また、昔の道具を使ってコミュニケーションを交わすことで、その人の思い出や、その人の生きてきた時代についても聞くことができるという貴重な機会にもなります。昔の思い出を語り合うということが、人と人との交流のためにどれほど大切なことかを実感しました。

私は、博物館学芸員課程を履修していますが、まさか博物館と回想法に繋がりがあるとは思いませんでした。しかし講義を受けて、回想法は、昔の道具をとおして過去をみんなで共有するためのよい方法で、また、高齢者の方々は認知症の予防につながる身近な健康法だということがわかりました。このように民俗資料を福祉領域でも有効活用し、昔の道具や文化を知り、次の世代に残していく機会が増えればいいなと思いました。                                                                  ( 文学部 英語科2年 平田 萌 )

この公開講座 は、文学部博物館学芸員課程が主催し、人間科学部心理・福祉専攻が協力して実施しているとりくみ「筑紫想い出カフェ2019~地域回想法による『ともいき』の実践~(PDF)」の一部です。