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福岡アジア美術館を見学しました

先日「時事アジア」の学外授業として、博多のリバレインセンタービルにある 福岡アジア美術館(「あじび」)を見学してきました。授業は、 1.アジアギャラリー(常設展)の見学、2.学芸員による「あじび」の活動に関するレクチャー 3.特別展「闇に刻む光 アジアの木版画運動 1930S-2010S」の3部構成で行われました。

まず2グループに分かれて、解説ボランティアの方の説明を受けながらアジアンギャラリーで「あじび」のコレクションを見学しました。作品の解説を聞くだけでなく、ある作品についてみんなで話し合う機会を設定してもらうなどしたことで、作品に対する理解が深まりました。

この写真の学生は話を聞いていないわけではありません。作品を守るために会場でのペンの使用が禁止されているため、スマホでメモを取っているところです。紙よりもスマホの方がメモを取りやすい、という学生もいました。

続いて「あじび」学芸員の五十嵐さんのレクチャーを受けました。「時事アジア」の授業ということで、作品収集や展示・美術交流事業における、今のアジアの人たちとの連携という観点から講義をして頂きました。現地調査などを通じてネットワークを構築し活用していくことで、将来性を見据えた作品収集を行っていることなどが解りました。

また「アジアと福岡を繋ぐ」という意味で、一般的にあまり身近ではないアジアの美術を市民の方々にどう伝えるのか、といった工夫についても語って頂きました。展示に至るまでの過程も含め、何気なく見てしまいがちな展示の背景にある、学芸員の方々の努力が理解できました。

最後に特別展「闇に刻む光―アジアの木版画運動1930s-2010s」を見学しました。時代も地域も広範囲にわたる展覧会でしたが、企画された「あじび」の方々の想いもさることながら、社会運動と結びついた木版画がもつ強いメッセージに圧倒されました。

参加した学生からは「アジア文化学科で勉強している自分にとって「あじび」が近くにあり恵まれていると感じた」とか「今後も「あじび」を訪問したい 」といった感想も聞かれ、とても充実した学外授業になりました。

普段は、太宰府にある九州国立博物館(「きゅーはく」)で、見学授業が行われることが多いのですが、今回は都会の真ん中にある「あじび」で、アジアの今について学ぶことができました。