各学科からのお知らせNews from Departments
日文おりおりの言葉 ** 年越し〜お正月 **
本学科所属の各分野の教員が、季節にちなむ作品など、おりおりの言葉を紹介します。
まずは、年越し~お正月
せつかれて 年忘れする 機嫌かな 芭蕉
〔句意〕
世俗を離れた境涯ゆえ、別に年忘れをすることもないと用意もしていなかったが、門人・知友からやいやいせつかれて、年忘れの会を催すことになった。やってみればそれはそれで楽しく、上々吉の機嫌になったことだ。
〔句の説明〕
ややもすれば内にこもりがちな気持ちを、門人・朋友らが気づかって解放してくれることに感謝している図。季語は「年忘」で冬。
永遠の しらぬひ筑紫に湧くお湯は 〈歌意〉 永遠の筑紫女学園の素晴らしさは、教職員と学生との日々の時間が、流れる川の河床の石のように積もった中から、自然に湧き出ているのだと思います。 〈歌の説明〉 |
あらたしき 年の始めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事
新 年乃始乃 波都波流能 家布敷流由伎能 伊夜之家余其騰
『萬葉集』巻二十 4516番歌
〔歌の意味〕
新しい年の初めの正月の今日降る雪の如く、よいことがいよいよ重なりますように
〔作品の説明〕
『萬葉集』は、日本最古の歌集で、この作品は天平宝字三年(759)、大伴家持が正月の雪(豊穣の瑞兆)を喜んで詠んだ歌です。雪が降り積もる意味の「敷く」と、吉事が「いよいよ重なる」ということが掛詞。ここは「しけ=命令形」で、「重なってくれ」という願いを表しています。
後年、『萬葉集』の編纂にあたってこの歌を最後に置き、この和歌集が千年万代に伝わることを願ったとも言われています。
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