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学芸員課程のバス見学 ~「屋根のない博物館」小城市へ

文学部学芸員課程の学び〜4年生のバス見学で小城市に行ってきました。

芸術の秋。学芸員課程の学びも秋は活動が充実しています。11月23日(土)勤労感謝の日、学芸員課程の最後の大イベント、4年生の秋のバス見学で、「小京都」と呼ばれる小城市に行ってきました。以下、学生レポートを交えて報告します。

最初は小城市歴史博物館と梧竹記念館。副館長の丁寧なご説明をうかがい、いざ見学へ。歴史博物館では佐賀大学と小城市の交流事業「小城の士族と佐賀事変」(特別展示)の開催中でした。

「小城で生まれ小城で亡くなった書家である梧竹は、中国に修行に行き、生涯弟子を取らず書を磨き続けた探究心が強い人だ。小城の北小路公民館前広場では、「北小路のごちくさん」というお祭りがある。梧竹が地域に愛される魅力はどこにあるのだろうか。梧竹は信仰心が強く、その書は前衛的だったことが魅力の元らしい。これらの情報は、館内だけではなく、デジタルミュージアムでも得ることができる。小城市は、福岡や長崎から少し離れた位置にあり、足を運びにくい。デジタルミュージアムがあることで、中林梧竹について広く知れ渡らせるきっかけになると考えた。」(学生レポートより)

次はもと千葉氏がおさめていた千葉城跡と須賀神社へ。

「階段を登った先にある絶景は、きっと忘れることができない思い出になる。須賀神社では、おみくじを引いたり紅葉を楽しんだりと訪れた人は様々な過ごし方をしていた。小城市は、「屋根のない博物館」が多く存在する。ここもそのうちの一つだ。特に展示はされていなくても、歴史を感じることができる。小城に住む友人は、時間があるときにここを登るそうだ。町の中心地に近いこの場所は、市民の憩いの場となっている。」

山から降りて今度は村岡屋総本舗羊羹資料館へ。

「1階で羊羹とお茶をいただきながら製造方法、店の成り立ちがわかるビデオをみて、2階の資料館に向かう流れがとても心に残る資料館だった。おいしい羊羹を食べること、そして歴史を学ぶことで、「歴史を味わいたい」と羊羹をついつい購入してしまった。また、須賀神社の近くにあるため、千葉氏についても学ぶ機会になると考えた。長崎街道シュガーロードは、小城でもここだけではない。スタート地点としてここを訪れ、その後他を訪れるきっかけになる。」

その後は牛津に移動して最後の見学先の牛津赤れんが館と旧田中丸住宅へ。

「牛津赤れんが館は、長崎街道の宿屋牛津を代表する「田中丸商店」の倉庫だ。第二次世界大戦中は一時軍事工場として、戦後は鉄工所所有者の倉庫として利用されており、今ではコンサートなどに使われている。現代でも活躍し続けていて、市民に愛されていることが分かる。」

「牛津会館(牛津町会館)は、田中丸の屋敷だ。屋敷の瓦には、「玉屋」の文字があった。この館は、今では市民に交流所や教室などとして貸し出しており、各部屋には番号がつけてある。赤れんが館と同じく、市民に愛されているところだ。日本庭園をもち、客間が多い。商店なので、きっと客の対応をしていたのではないかと考えた。グラマン戦闘機の痕もあり、時代を感じさせる建物だった。赤れんが館の横にあることで、足を運びやすい。」

4年間、さまざまな角度から博物館について学んで成長した文学部学芸員課程生のみなさん、将来学芸員として働くとしても、それ以外の仕事につくとしても、これまでの学びを踏まえ、文化や歴史を学び伝えることのできる豊かな人生を作ってください。(小林記)