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授業風景 ** 日本語学演習II 万葉歌を読む **
ある日の授業風景 ** 日本語学演習II **
3年生「日本語学演習II」は、3クラス開講し、それぞれ異なるテーマを扱っています。
今回紹介するのは、万葉集のクラス。このクラスでは、1690年頃の注釈書『万葉代匠記』の写本を翻刻するところから始め、万葉の歌を読み解くとともに、江戸時代の古典研究のあり方にも触れながら、日本語と文学・文化の歴史に思いをめぐらせています。
前期の演習I で巻一から抜粋して読み始め、最近巻二の相聞歌(恋の歌)に入ったところです。
今週の歌は、巻二の93番 鏡女王が藤原鎌足に贈ったもの。
玉くしげ 覆ふをやすみ 開けてゆかば 君が名はあれど わが名し惜しも
(素敵な箱はきっちりと蓋を閉めて、何でもしまい込むことがたやすいものなので
《だから貴男は、二人のことを簡単に隠せると思っているのでしょう?》
だからといって夜が明けてから私の家を出てお帰りになりますと、
貴男の名が人の噂になるのはともかくとして、私がとやかく言われるのは困りますわ)
鏡女王は、中大兄皇子の想い人だった女性で、後に鎌足の妻になりました。
演習を担当した学生の疑問。
代匠記は「開けてゆかば」と読んでいるが、
「いなば(去)」という現代の注釈書の読みとどう違うだろう?
「君が名はあれど」はどう訳したらいい?
これは、二人の関係のどんな段階で歌われたものだろう?
この女性は、彼が朝まで居るのが迷惑なのか? それとも本当は帰ってほしくないのか?
遠い昔の言葉を手がかりに、当時の風俗や歴史などにも興味を広げ、人々の想いを読み解いていく演習です。
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