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ビジネス社会コースの基礎専門ゼミナールでゲスト講師を招きました

さる5月22日(火)、ビジネス社会コース2年生の『基礎専門ゼミナールⅠ』にて、ゲスト講師を招いて講義していただきました。

講師は有薗真代さんです。有薗さんは立命館大学専門研究員、カリフォルニア大学ロサンゼルス校客員研究員などを経て、現在京都大学大学院文学研究科非常勤講師をされています。専門は社会学で、昨年発売されたご著書『ハンセン病療養所を生きる―隔離壁を砦に』はアマゾンの「人権問題」部門の売上で1位を記録するなど、話題となっています。

今回の講義も、このご著書の内容を元にお話いただきました。

ご自身がハンセン病療養所の調査研究をするに至った経緯から始まり、療養所の歴史および現状、差別問題や当事者の生活ぶり、そして「らい予防法」や「優生保護法」の制定及び廃止など、詳細に渡り、なおかつご自身が取材された際の資料などをご提示いただきながら具体的に分かりやすくお話いただきました。

お話を伺っていて印象に残ったのは、ハンセン病療養所の方々が「悲しみの谷は超えた。これ以上嘆いていても仕方がない。自分たちの人生なのだから、できるだけ楽しく過ごしていきたい」と、手持ちの材料で創意工夫を凝らしながら楽器を作って楽団を結成するなどされていたことです。

長年に渡りいわれなき差別を受け続けた大きな社会問題の当事者がこのような想いを持ち続けられたということに、受講して学ぶ所が非常に大きかったです。

現在も、旧優生保護法の下で強制不妊手術を受けさせられた方々の訴訟問題が連日テレビ等で報道されています。つまり問題はまだ全く終わってはいないのです。そういった「長きに渡る社会問題」を考えるとともに、そのような苛烈な状況下でも決して屈しない人間の生きる力を再認識することができました。

講義後の質疑応答でも、受講していた学生からいくつも質問が出ていました。そのさまは、普段の授業よりも明らかに積極的でした。

ビジネス社会コースの基礎専門ゼミナールでは、毎年ゲスト講師を招いて講義頂いております。来年度も、今回に負けない内容でのゲスト講師をお招きしたく考えております。