各学科からのお知らせNews from Departments

【英語学科の学び】「英語圏児童文学研究」

宮原牧子先生の「英語圏児童文学研究」を紹介します。この授業は、主として19世紀以降に書かれた英国の児童文学を、1回に1つ取り上げます。11月22日に教室に入っていくと、宮原先生が「子どものための物語が、残虐なものや不道徳なものを避けるというのは現代の感覚で、昔はそんな内容が満載でした」と話されているところでした。そんな時代にも拘わらず書かれた癒しの物語が今日のWinnie the Pooh(『クマのプーさん』)です。

まず、Winnie the Poohの作者A.A.ミルンについてや、書かれた背景などについて、資料も使いながら宮原先生の解説がありました。原作は息子のクリストファー・ロビンのために書いた2冊の詩集と2冊の物語だそうです。ディズニーがアニメーションにしたことも広く知られていますね。

毎回物語の一部を英語で読みます。これまでは冒頭部分が多かったそうですが、今日は『クマのプーさん』の最後の部分を読んでいました。

宮原先生は、詩集『クリストファー・ロビンのうた』の中の「階段をはんぶんおりたところ」の詩と挿絵にも触れて、階段を半分降りたところは、赤ちゃんと大人の中間の、誰にも邪魔されない自分だけのすてきな場所なのだと解説されました。アリスやモーグリ(『ジャングル・ブック』)やピーター・パンたち、イギリスの児童文学の主人公たちの多くは「どっちつかず」のとても不安定な存在なので、「その中途半端な場所にいていいんだよ」と言ってくれるプーさんの世界の優しさは特別なものです。H.シェパードの挿絵もとても印象的です。

この授業は、筑女独自の資格「児童英語教育副専攻」の取得にも使える科目で、受講者は英語学科だけでなく人間科学部の学生もいます。これまで、『不思議の国のアリス』に始まり、『ピーター・ラビット』や『ピーター・パン』などを読んできました。『ハリー・ポッターと賢者の石』まで、まだ読む楽しみが続きます。

 

*過去の宮原先生が写っていた記事もご覧ください