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【日文の学び】✿曲水の宴✿に参加しました。
「曲水の宴」に参加して
日本語・日本文学科 新開 友香
曲水の宴は平安時代の宮中行事で、酒盃が自分の前を通りすぎる前までに和歌をつくり、お酒をいただくという雅な神事である。
憧れの声の記憶に手を伸ばす友との時間春光さす
この和歌は、今まで出会いお世話になった先生や先輩といった憧れの人との思い出を思い出しながら、私もそのような人になりたい、そして友との時間を大切に過ごしていこうという前向きな気持ちを詠んだものである。
憧れの十二単衣を身に纏う。太宰府ならではの梅の柄が入った紫色の唐衣を羽織った。
十二単衣は着るものも多く、8枚ほど着る。重たいという印象が強いのではないだろうか。
例えるなら、毛布2、3枚を身体に巻き付けたような重さに感じた。
参列し、歩く度カメラを向けられる。レッドカーペットでも歩いているような気分だった。
気をつけなければならなかったのは手首を見せないことだ。扇子を持つとき左手は袂で隠し、手はあまり見せない。左手の袂の上に扇子を置き、右手を扇子の上にそっと添える。
一斉にカメラを向けられ写真を求められることは人生で二度とないだろう。貴重で忘れられない経験となった。
当日は10時から16時といった6時間の間、鬘をつけ、十二単衣を着ていた。
小学生の頃から平安時代に強い憧れがあり、ほんの数か月前、「成人式では振袖より十二単衣を着たい」と言っていた私だ。嬉しさや喜びといった幸福感からか6時間もあっという間に感じ、夢を見ているようだった。今まで叶うはずはないと思っていた漠然とした夢だったが、言葉に出すといつかは叶うかもしれないということが実感できた。
太宰府の地で古典が学べるということで大学に入学した私だったが、十二単衣を着るという夢を叶えることができ、思いがけない経験ができた。これからも学びを深め、夢へと近づき、それを一つずつ実現していきたい。
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