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《筑紫想い出カフェ2021》公開報告会を開催しました。【学芸員課程】

11月30日、博物館学芸員課程主催の「筑紫想い出カフェ2021 ~地域回想法による「博福連携」のこころみ~」公開報告会を開催しました。

 

学芸員課程学生ボランティアによる地域回想法のとりくみ「筑紫想い出カフェ」は、去年1年はコロナ禍のため休止していましたが、今年はオンライン形式により実施しました。

今年の参加者の5人を中心に、夏休みに事前打ち合わせを重ね、8月から9月にかけて3回にわたり実施しました。受け入れてくださったのは五条にある「デイサービスららら」さんです。

公開報告会では、学生による活動報告の後、コメンテーターの先生方や学生・一般の聴講者を交えた意見交換を行いました。以下に学生レポートを紹介します。

今年の報告者は3年生の緒方さんでした。今年の取り組みに参加した5人の学生ボランティアのメンバーです。

話を聞くと、今年の「想い出カフェ」は、当初は対面で行う可能性もあったそうです。

途中でリモートでの実施が決定したため、企画の段階から、様々なハードルを乗り越える必要があっただろうと思います。

実施出来たこと自体、素晴らしいことだと思います。

各回の担当者2人が、施設に集う利用者さんとオンラインで繋がり、「昔の遊び」「朝ドラ」「昔からあるお菓子」と、3回にわたりテーマと素材を変えて、40分程度のお話をする、という進め方でした。

それぞれのグループで事前準備し、細かく工夫していました。機材トラブルや事前準備が足りなかったという反省点も出た中で、コメンテーターの先生方からは、発想の良さを褒めて頂いたり、事前準備の大切が重要であることを改めて教えていただいたり、聴講した私たちにとっても、企画実施のノウハウを学ぶよい機会となりました。

私個人も、「想い出カフェ2021」企画の当初だけは参加していたため、最終的に提案していた朝ドラの企画が実現したのを聴くことができ嬉しかったです。

報告後の質疑応答の時間は、博物館・美術館の現場で回想法に取り組まれてきた奥村俊久先生(元筑紫野市歴史博物館)、鬼本佳代子先生(福岡市美術館)、髙松麻美さん(太宰府市文化ふれあい館)、後藤夏実さん(同)などの学芸員の方から貴重な話も伺えました。

学生からの「博物館資料の活用と保存を両立させることが出来るのか?」という質問に対し、「博物館は資料を保存することを目的とした施設であるため、使っては破損してしまうのではという批判もあるが、資料を使って社会に還元していくことが求められ、資料の選択・管理が大事になってくる中で、“今後、社会貢献として何ができるか考えておく”ことが必要」という回答が奥村先生からなされました。

学芸員として社会で活かせる問題意識をもつことが出来ました。(アジア文化学科 3年 赤木音羽)

来年カフェに参加する2年生の学生から「回想法活動を通して、行政と地域の人々、福祉と地域の人々など、様々な分野においてつながりをつくる懸け橋となったり、子供から大人まで幅広い世代に対する教育普及に携わることで、将来の博物館の在り方を考えていくきっかけとなりそう」という意見がでました。学生の柔軟な発想をとりいれ「筑紫想い出カフェ」の活動を展開していきたいです。(学芸員課程担当教員 小林)